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「お前さえ良ければ、もう少し強く言っておくんだが」
『…ううん、いいの、私は。
私だって……あの子達の立場だったら、我愛羅のこと諦めてないだろうから』
矛盾しているなと、過去に言われた記憶がある。
妬くし気まずいし良いことなど全くないあの女の子達を我愛羅が遠ざけようとすればできるのに、それを断り続けているのは紛れもない私だった。
もし私があの中の内の一人だったら、きっとあのように振る舞う。
誰かを好きになった女の子など、恐らくみんな同じ。
「お前が優しいのはいいんだが、俺としてはもう少し…縛ってくれてもいいと思ってるが」
『ふふ、そうね。
縛ってもいいけど…我愛羅は風影だから…。里の人たちとの関係も無下にはできないでしょ?
それに……私、我愛羅が浮気しないって前提で動いてるから』
「……そうか」
そこらへんの人ならまだしも相手は風影。
別に風影になってからのお付き合いというわけではないけど、なったからには人間関係は大きく変わる。
私の都合で動かしていいものではないくらい分かっている、だからこそ我儘は言えない。
本当は縛りたい、部屋に女の子など入れてほしくない、でもそんなことは言えない。
「…けどな架音、……お前だけじゃない」
『何が?』
「誰かにとられないかと…いつも気にかけてるのはお前だけじゃない。
……俺だって、そうだ」
ふわりと、優しく笑った顔は私に対してだけにしてほしいと思い始めたのはいつだっただろうか。
撫でるように頭に手を乗せた彼にはきっとそんなことも随分と前に見抜かれている。
「お前はあまり気付いていないかもしれないが……お前のファンも多い。
俺は風影だからここを動けない、お前の帰りを待つしかない……毎回、心配してる」
『…そうなの?』
「ああ、そうだ」
行く途中も、任務中も、帰り道も。
いつどこで変な男に捕まるかと思うと心配だと続ける我愛羅に思わず笑う。
「俺の目の届かないとこで何をしてるかなんてわからない……でもお前だから信じてる。
俺はお前しか見ていない。だからお前にも、……」
『…分かってる』
いつになく饒舌な彼に何かあったのかと不思議がるも、つい今しがたその答えを言っていたことに気付いて目を細める。
要するに、嫉妬しているのは何も自分だけではないということだ。
肩がぶつかる距離にいたその人に抱きつけに行けば少し笑われた後に抱きしめ返される。
『私は生涯一途だから』
「そうか、奇遇だな……俺もだ」
目を細めて笑い合う。
落とされた口付けは、この先何があっても誰にも渡さない。
愛してます、貴方だけを
(…明日の任務は休みにしてどこか行くか)
(こらこら、職権乱用)
END.
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カンクロウ兄さんは多分まだ部屋の前に閉め出されて放置されてる。
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