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「いらっしゃいませ………か、風影様!?」


「架音はいるか?」


「架音様なら奥の席にいらっしゃるかと…」


「分かった、少し邪魔する」


「どうぞごゆっくり!」




『え、…我愛羅?』




注文したオムライスを食べながらざわつきだした店内に首を傾げていると、よく知った人が見えて驚く。
ちらりと見えた赤い髪に特徴的な目の隈、一瞬で我愛羅だと分かった。
同時にざわつきはこの人が入ってきたからかと理解する。

でもなぜ彼がここに。
一直線にこちらに向かってきた彼の目当てはおそらく私だけど、場所を教えた覚えはない。誰かに聞いたのだろうか。
一緒にいたナルト達も驚いてぽかんとしている。


そんなのを特に気にする様子もなく、我愛羅は淡々と言葉を発した。




「架音、迎えに来た。帰るぞ」


『え、でもまだ来たばっか…』


「いいから、帰るぞ」




帰ると言われても、ご飯も来たばかりで全員食べている最中。それなのに私だけ帰れと言うのか。
身勝手なのは昔からだしそこも含めて好きだけど、今回はちょっと素直に了承はできない。

どうしようと思っていたところで隣に座っていたナルトが私の代わりに反論しだした。




「おいおい我愛羅、そりゃねーよ!
まだ飯も来たばっかだし、オレ達だって架音ちゃんと話したいしよ!」


「……だめだ」


「だめだってお前、少し自分勝手すぎねえか?大体なあ…」


『…我愛羅、大体我愛羅が私のこと放っておくからいけないのよ!
ナルト達も任務で疲れてるのにわざわざ寄ってくれて、私に気遣ってご飯に誘ってくれたんだから!
私は帰らないから、ご飯食べたら帰るから。我愛羅も仕事あるんでしょ、戻らないとだめでしょ』


「……!」




あまりにもこちらの意見を聞かなさそうだったので、一緒になって言い返す。
今まで言えなかったこともまとめて一気にまくし立て上げた私に我愛羅が目を見開いた。
その後彼がどんな顔をしていたのかは、顔を背けた私にはわからない。


少しした後、我愛羅が隣に座った気配。
綺麗な赤い髪が私の頭上で揺れる。
こんなに近くにいるの、いつぶりだろうか。




「…分かった、じゃあオレも混ぜろ」


『!』


「仕事はいいんですか?」


「良くはない…が、仕方ないだろう」


「相変わらず架音ちゃん大好きだな我愛羅!」




良くはないって。それでいいんだろうか。
じゃあ今犠牲になっているのはテマリ姉さんかカンクロウ兄さんだろう。
お仕事、昨日今日の様子からして終わっているはずがないし。


さりげなく手を重ねてくる我愛羅と久しぶりのその感触に頬が熱くなる。
周りにたくさんお客さんがいるから、余計に。
ナルトのからかってくるような言葉が恥ずかしい一方で嬉しかった。

メンバーが五人になって、先程からしていた話を再開させる。
四人だけでも楽しかったけど、隣に我愛羅がいるだけで特別な時間になるのを改めて感じた。



唇にご飯粒が付いてると騙されてキスされ、店内が更にざわつくまで、あと5分。