2
「……で?今日はどこ行くんだよ?」
あれから一週間。またもや架音に呼び出されたオレは、懲りずに少し浮かれて待ち合わせ場所に現れる。
普段の任務服ではなく、私服。そして同じように待ち合わせ場所に現れた架音もまた、私服だ。
『今日は服屋に行きます!』
「服?」
動きやすさ重視の任務服とはかけ離れた、フリルのついたスカート。化粧に詳しくはないが、淡いピンクの頬と同じ色の唇。
周りにオレ以外の男がいなければ彼女以外の女もいない、完全な二人きり。ただひとつを除けば完璧、だ。
『デート用の服を選んで欲しいの!』
この世のどこかにいるらしい、こいつの想い人のためなんかじゃなければ。
「え?もう付き合ってんの?」
『違うけど、まずはデートに誘って、そこでアピールすることにした!』
「へーェ…」
向かう先はどうやら服屋らしい。どっかの野郎のためにこいつに服を選ばねばならないらしいが、断れないんだから仕方ない。惚れた弱みとでも言うのだろうが、なんて情けない。
この際完全に外した服を選んで、初デートとやらでそいつに嫌われるように仕向けようとも思ったけれど。
『ねえキバ、これどう?』
『これは?それともこっちのがいい?』
『ねえ見て!これすごくかわいい!』
服を取っては体に合わせ、嬉しそうに見せてくる架音を見たら何もできないのだから、オレにはもうどうしようもないのだ。
惚れた弱み 2
END.