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「架音……これ」


『…ん。サスケが手紙なんて珍しいね』


「後で読んどいてくれ。
そのー…今、偶然この近くに用があってだな。良かったら明日オレと……」


「サスケ、嘘は良くない。昨日15キロも離れた村からわざわざ走ってここまで来ただろう?」


「なんで知ってんだよ!!!」


「お前のことくらい手に取るように分かる」




折り畳まれた1枚の紙を手渡し、サスケが照れたように頬を掻く。架音が広げてみたところそこには地図が描かれていて、明日彼は一緒にここに行きたかったらしい。
なるほど、クリスマスマーケットね。会場も広そうだし確かに楽しそう。そう考えている横でうちは兄弟が騒がしい。この二人は顔を合わせると喧嘩しかしないので困る。
先程静かにしてくれと言ったのをもう忘れたのだろうか。

しばらく言い合いをしていたが、二人の間に割って入るように「いいよ」とYESの返事をするとサスケがぱっと明るい顔で振り向いてそこで喧嘩が終わった。




「じゃあ明日の10時、この場所で待ち合わせで良いか?」


『うん、わかった』


「…!! おいイタチ、間違ってもアンタは来るなよ!?」


「なんだ、フリか?きっちり10時に現れてやろう」


「は!? ふざけんな!!!」


「限界まで妥協しても、昼過ぎの合流だな」


「何時になっても来んな!! アンタに知られると面倒だからわざわざオレが出向いたってのに……!」


『まあまあ。じゃあイタチ、さらに妥協して午後3時からにしてよ』


「架音まで…!!」


「オレに見つかった時点で諦めろ、サスケ。仕方がないから、架音に免じて15時からにしてやる」


「クソ……覚えてろよ……」




「絶対3時までは現れるなよ!」という捨て台詞を残し、一応当初の目的を達成したサスケが二人に背を向ける。次の瞬間、瞬身で消えるようにしてその場から姿を消した。


サスケを見送った後、やれやれといった様子でイタチが架音の隣に腰かける。




「相変わらず、サスケは架音のことが大好きだな……」


『昔から妙に懐いてるよね。イタチと付き合ってることは察してそうだけど……変わらないね』


「あいつにとってはどうでもいいんだろう。オレがお前と結婚しても“奪えばいい”くらいに思いそうだ」


『…ま、元気ならそれでいっか』




「明日は夜に三人でケーキ食べよ」と続ける架音、「そうだな」と微笑むイタチ。破壊されたドアが放置されていること以外は平和な世界だった。


――サスケにプレゼント買おうかな、
――オレも合流までに手に入れておこう。

明日が楽しみだね、と顔を合わせて微笑み合う。




「オレが居なくなったら、サスケと幸せになってくれ」


『何言ってるの。まずはイタチが幸せになってよ』


「…もう十分幸せだ」




「オレには二人が居てくれるからな」。そう言った後、イタチが上着の内側から巻物をひとつ取り出す。壁掛けの時計はちょうど0時を指し示す頃だった。


“メリークリスマス”。
ポンという小さな音と共に現れた大きなくまのぬいぐるみを手渡しながら、その額に軽く口付けを落とした。











(その格好でも様になるのずるいね。…見慣れただけかもしれないけど)
(サスケにはウケなかったがな……)
(あ、そこのドア片付けといてね。わたし寝るから)
(………)





END.


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随分前の書きかけを見付けたのでウン年越しに仕上げました。
今じゃ書けないノリの文章してますね……

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