頭の中は、君一色
『ダークっ!』
「!うわっ」
午後、一人ぼーっとするダークにいきなり抱きつく。
隙だらけの彼は、私のタックルに少し前のめりになり声を上げた。
『もう少しくらい私に構ってくれてもいいじゃない』
「……」
少し頬を膨らませつつ彼に言う。
一週間前、私は彼に告白した。
ダメもとのその告白は、意外にも返事はOK。
晴れて私たちは恋人同士。
…のはずなんだが、彼は私にあまり構ってくれない。
付き合って一週間という事実と、彼の性格からして仕方ないのかもしれないが、もう少し構ってくれてもいいと思う。
『デートくらい、誘ってくれてもいいんじゃない?』
彼の肩に顔をうずめれば、綺麗な銀髪が耳に触れた。
リンクとは正反対の色の、それ。
『本当に私たち付き合ってるのか、わからなくなっちゃうよ……。』
「……」
…何も喋ってくれない。
もしかしたら嫌々付き合ってくれたのかも、という想像が、ここ何日か頭から離れない。
『私は…ダークが大好きなのに……。』
ぎゅっと力を入れる。
もしかしたら、まだ片想いなのではないかと。
その言葉が、何回も頭によぎった。
風が吹く。
瞬間、ずっと黙っていた彼が、口を開いた。
「………俺も、だ」
『…!』
風に消されそうなくらいのその小さい低い声が、耳に届いた。
「俺も、レンが好きだ……けど、付き合ったことなんてなかったから…何すればいいかわからなくて……」
顔を上げた私の方を向いたダークは、少し苦笑いを浮かべながら言葉を紡ぐ。
彼が言うには、ここ何日かぼーっとしてたのは、デートの予定を一生懸命立てていたかららしい。
『……ばか』
「!ば、ばかって言うな…!」
『大好きダーク』
「!」
今度は正面から抱きつく。
何日も悩んでた不安の塊は、どこかに消えていた。
「…なあ、レン……明日…デートしねぇか」
『もちろん、コースは考えてくれたのよね?』
「ああ、…喜んでくれるかはわからねぇけど…」
『ダークとデート出来る時点で私は十分喜んでるわよ?』
「…そうか、
……それと、ここ何日かのお詫び…したいから」
『?』
「…その……目、閉じてくれねぇか?」
『…!』
言われた通りに目を閉じる。
ああ、わたし、幸せ者だ。
不器用で可愛い彼は、
私の自慢の彼氏です。
頭の中は、君一色
(お互い様なのね)
END.