薄闇の中で君と
「キレイな空」
そう言ってオマエは、空を見上げた
黒く渦巻くトワイライトの空、を
「…変わってるな、オマエ」
そう言えば、「そう?」と無邪気に返してきた
コイツはレン、そして今は影の世界、トワイライトにいる
レンは光の世界の住民だが、魔法が使えるためかこの世界でも人間の姿でいられるようだ。
…他人には見えないがな、(まあ神に選ばれし勇者に合わせて狼になっている時もあるが)
その力もそうだが、コイツの変わっている性格も今ではワタシのお気に入りだ。
「ここはオマエの友達をさらったヤツらのいる世界だろ?」
「…まあね、でもココの景色が好きなの」
こんなこと言ったらリンクに怒られるね、なんて笑う。
…リンク、か。
コイツの幼馴染の、勇者という運命を背負った青年。
アイツよりもレンの方が賢くて物分かりが良くて、仕事の効率もいい。
こうやって話してても退屈しないし、いい性格をしている。
なぜコイツにしなかったかなんて、そんなのただの出会う順番の差だった。
先に出会ったのがリンクだった、それだけ。
二人で一度ゆっくり話をしてみたいとずっと思っていたが、それが叶ったのが出会ってからもう何十日も経った今日だった(だってあの勇者、レンにホレてずっとくっついてやがる)。
「確かにココの世界自体は私が好きになれない所だけど。
でも、景色なら別でしょ。
金色に輝くソラと、黒い雲と、たまに通りがかるヒトの魂のヒカリがすごくキレイなの。
ミドナもそう思うでしょ?」
「ああ、そうだな。
…やっぱりオマエは物分かりがいい」
きっとあの勇者だったら、こんな黒い空不気味だとか言い出すだろう。
ワタシはこの空が好きなのに。
でもレンは違う。
だから気に入ったんだ。
ワタシが出会った中で、一番のお気に入り。
「…あたしね、この旅が終わらないで欲しいの」
「なんでだ?」
「だってミドナと会えなくなるかもしれない」
「……」
それはそうだろう、だってこの旅はハイラルをトワイライトから救うための旅なのだから
ワタシは、影の住民だから
「でもそれだと友達は捕まったままかもしれないぞ」
「ううん、みんなを助けてからの旅のこと。
リンクには悪いけど、戦闘でできるだけ時間を稼いでほしい」
「……死んだら?」
「死なないよ、」
だってリンクだもん。
そう言ってオマエは笑った
「…クク、面白いなオマエ」
純粋なのかよくわからないところが、また面白い。
「ワタシなんかと友達でいたいのか」と冗談交じりで聞けば、「ミドナだからだよ」と真面目に返してくる。
…コイツは純粋だろうな、多分。
この世界の景色が好きなのも、本当なのだろう。
きっと勇者もそこにホレたのだ。
思えば、ワタシらしくないが、コイツとは一緒にいて楽しいと思えた
こんなのは、初めてかもしれない
「まあよろしく頼むぜ、レン」
「もちろん!」
いつか終わりになるこの旅、
その中でオマエに出会えたことには感謝しよう
少しは、このワタシにも“思い出”というものを作ってくれるのだろうか
薄闇の中で君と
END.
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トワプリ連載を目論んでた頃のお話です
今じゃもう連載とか……遠い目過ぎて
私の代わりに脳内の文章を打ち込んでくれる機械をください
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