2

 



「レン!ペパーからチョコ貰った!?」


『あ、ネモ……おはよ。さっき貰ったよ』


「おはよー!ペパーさ、私が朝生徒会の用事で早く来たら、レンの席座っててさ!!
レンに一番に渡すんだって、すっごく張り切ってたよー!」


『え、そんな前からいたんだ……』


「私もチョコ持ってきたんだけど、“オレが一番だからオマエらは後で渡せ”って言われちゃった!はいこれ!」


『あはは…なんかごめん……』




「ありがとう」と言ってネモからチョコを受け取る。ペパー、ここでも「一番」にこだわりがあるのか。たびたび彼から発せられるその単語に苦笑する。
私が渡すチョコの「一番」にはならなくて良かったのかな、と思いながらネモにお返しのチョコを渡した。一応私もチョコは持参しているのだけど。

「ラブラブだねー!」と笑うネモに、誤魔化すように「ペパーは女子力高くて困っちゃうな」と返した。




「レンのチョコも可愛いじゃん!ペパーも喜んでたでしょ!」


『あ、実は渡す前に居なくなっちゃって……』


「え!?そんなことある!?……なんだか二人に比べて私のは女子力低いなー!気持ちは込めたんだけどね!」


『全然大丈夫だよ〜』




私のもそこまで凝ったものではないし、と他の人へ配るために持ってきた自分のチョコを手に取る。型に流して作っただけのチョコと、ハートの形のクッキーが何枚か。
失敗しないことを重視したので特別面白いものではない。ペパーのみたいに可愛くデコレーションしてるわけでもないし。ペパーと違って技術がないから、凝ったら凝っただけ裏目に出る気がしちゃって。

ネモのは何だろう、と袋を覗いたらやや不格好な形のチョコレートマフィンだった。ペパーみたいにプロっぽいお菓子も良いけど、手作りっぽさがあるお菓子も素敵で良いんじゃないかな。後でありがたくいただこう。


始業のチャイムが鳴る。みんなが一斉に慌てて机の上に散らかしていたお菓子の袋をしまい始めた。
ホームルームが始まって、ジニア先生がのんびり挨拶する。…ペパーに渡すの、いつにしようかなあ。

その後もいつものように授業が進んだけど、考えていたのは彼へのプレゼントと今日の夕飯のことばかりだった。