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「(オレでも告白されることってあるんだなー……)」
一人、廊下を歩きながら考える。
人当たり悪いから、好かれるどころか避けられることの方が多いのにな。マフィティフや親の件が落ち着いて多少マシになったとはいえ、オレの第一印象が良くなかった人間は多いと思う。
それに加えて目に見えてレンを追い掛けるようになったから、余計に告白なんかされそうにないのに。
「……、ん?」
待てよ、と誰もいない廊下の真ん中で立ち止まる。
レンがオレの親友であることは人に呆れられるくらい散々言いふらしてきたつもりだし、当然レンも分かっている。…と、思っていたのだが。
オレを好きだと言ってきたさっきの女子は分かっていなさそうだった。無駄になる告白だったらそもそもしてこないんじゃないのか。
それなのにしてきたってことは、オレがレンをどれだけ好きかが彼女には伝わってなかったってことで。
つまり、同じようにレン本人にも伝わっていない可能性がある……ってこと、なのか?
「…!!」
こんなところで突っ立っている場合じゃない。今すぐレンに会って確かめなければ。
廊下を走っちゃいけないことは知っていたが、全速力でレンがいるであろう教室へと向かった。
――
「レン!!」
『…? あれ、ペパー。何かあった?』
授業が終わってすぐの教室で、レンがプリントをまとめながらこちらを振り返る。声が大きかったせいか、ついでに近くにいた別の生徒やネモ、ボタンも振り向いた。
人の間を縫ってレンの隣まで行き、ガッとその肩を掴む。
「オマエ、オレから好かれてる自覚はあるか!?」
『え?な、なに?急に……』
「いいから!オレはオマエの一番の親友、だよな…!?」
『う、うん。それがどうしたの?』
「だよな!良かった……」
ふう、と空いていた隣の椅子に腰を下ろす。
レンにはちゃんと伝わってたみたいだ。あの女子がたまたま知らなかっただけらしい。それなら良いんだ。
オレの言葉に首を傾げる彼女に、そういや事情を話していなかったと姿勢を整えてから改めて向き直る。
「実はさ……」
大して仲良くもない女子に告白されたこと、そしてそれを断ったこと。レンとオレが親友であると知りながら告白してきたのを不思議に思ったことをレンに話す。
近くで聞いていたボタンが「それここで話す内容?」と嫌そうな顔をし、ネモが「あはは…」と苦笑いした。レンも苦笑いして、「そういうのはあんまり大きい声で言っちゃダメだよ」とオレに言う。他人と恋愛絡みの話をしたのが初めてで意識していなかったが、人前で話すのは良くなかったらしい。
でもオレとしては由々しき事態だったというか、レンがオレを親友だと思ってなかったらどうしようって考えたら気が気じゃなかったというか。メインは告白がどうこうじゃなくてレンとオレの話だったんだけど、まあ、ダメなもんはダメか。
「悪い」と謝ったら、「次から気を付けよう」とレンがオレの頭を軽く叩いた。