1
目を覚ましたら、見慣れない白色の天井と小洒落たランプの灯りが目に入った。
『…おはよう。夜だけど』
「沙月?……あれ」
左手に違和感を覚えて持ち上げたらなぜか沙月の手も一緒に持ち上がった。
首を傾げると、沙月が「安室が言い出したのよ」と言って眉間にシワを寄せた。
『もう離していい?そろそろ乾燥機かけないと』
「乾燥機?……えっ!?なんで裸!?」
重ねていた手を離して沙月がベッドの淵から立ち上がる。
行方を追おうとして体を起こしたら、今度は身体に違和感。そのまま下を見たら自分が何も着ていないことに気付いて慌てて布団を掛け直した。
僕の声に反応した沙月が洗面所らしきところから顔を出す。
『あー…わたしがやった。服、今洗ってるところだからしばらく我慢して』
「ど、どういうこと?」
『覚えてないの?』
「覚えて……あ」
瞬間、頭がくらっとする。
断片的に蘇る記憶。
「……い、一応…説明頼めるかな?」
『別にいいけど』
沙月が乾燥機に押し込んでいる服は間違いなく今日自分が着ていたもの。
どこか眠たそうな彼女は、僕が全裸であることを気にする素振りもなくベッドの付近にあった椅子に腰掛けた。
back