名前に逢ったのは、僕がまだ卵の中にいた時だったと思う。はっきりと覚えているわけではないけど、中にいた頃に伝わってきた温もりは、今名前に抱きついたときと同じものだということが分かる。
ぎゅーっと抱きしめられるたびに幸せな気持ちになって、こうやって名前の元に生まれることが出来たことを、とても嬉しく感じる。
名前だけじゃなくて、コイもクマも、ゆりちゃんもネコもウマも、みんな僕のことを大切に思ってくれていることが分かるから、僕もみんなのことが大好きで、本当に素敵な家族に恵まれたんだと思った。
名前は僕のお母さんだ。
もちろん生みの親ではないことは知っている。それでも名前は、本当の母親のようにたくさんの愛情をくれた。
僕が木の実を採ってきただけでとっても嬉しそうに褒めてくれるし、悪いことをしたらきちんと駄目だと教えてくれる。
そして何より、大きなポケモンが現れた時に、自分の身を犠牲にしてまで守ろうとしてくれたんだ。
前までは色んな奴らに嫌われてたんだよ、てネコは笑ったけど、僕はずっとずっと名前が大好き。
だから、これからは僕が強くなって名前のことを守るんだ!
お母さんが名前なら、お父さんはコイ。
僕が川に遊びにいった時は、黙ってついてきてくれたり、技のやり方を教えてくれたり。凄く強くて、格好よくて、僕の一番の憧れでもある。
顔が恐い上に不器用だから、気持ちが伝わっていないことが多いけど、本当は誰よりも心配性で、僕たちを想ってくれる優しい性格だと知っている。そんなコイだからこそ、僕の憧れであって、いつか追い越したい目標でもあるんだ。
クマは、僕たち家族でいうと長男のような存在だ。
口下手で恥ずかしがり屋でおっちょこちょい。お世辞にも頼りになるとは言えないけど、僕の遊び相手になってくれる。
そんなクマでも、名前に初めて出会った時には致命傷を負わせてしまったことがあると聞いた時は驚いた。
今では名前のことを思いすぎて、一帯の木の実を絶滅状態に追い込んでしまうほど採ってきたこともあるのに。
いつだって一直線で、お人好しなクマ。それが僕たち家族の長男だ。
長女といえば、もちろんゆりちゃん。
僕にとっては面倒見がいいお姉ちゃん的存在だ。僕とウマが喧嘩した時も、中立の立場になって止めてくれたりする。
僕たち雄だらけの中で唯一の女の子だから、私の癒やしだ、って名前が言っていた。
だけど、怒らせた時の滅びの歌は、流石のコイでも止めることが出来ないらしい。
家族の中で一番怒らせてはいけないタイプだ。
ネコは好奇心が旺盛で色んなことを教えてくれる。
僕が生まれる前の出来事は、全部ネコに教えてもらった。
ネコは手持ちになる前から、ずっと名前のことを観察していたんだって。僕やコイでも知らない名前をネコは知ってると思うと、少しだけ羨ましく感じた。
悪戯好きでもあるから、僕も驚かされることが多いけど、一番の被害者は名前だったりする。当のネコは愛情だって笑ってた。
最後の家族は三男のウマ。
喧嘩っ早くて、いつもコイにバトルを仕掛けてる。相性のことや、何より経験の差があるからコイが負けることはないけど、その何度も挑み続ける精神は僕も見習いたいと思う。
でも勢い余って名前にまで火を散らすのは止めてほしい。ま、僕が阻止するけどね。
これが僕の大好きな家族。
言葉は通じないけど、みんな名前のことが大好きで、名前も僕たちを思ってくれている。
本当のお母さんに捨てられたことは悲しい過去だけど、覚えていないことだから気に病むほどではない。僕はこの大好きな家族が居てくれるだけで、それだけで十分だ。僕の家族を紹介します