3.
何事もなく食事や風呂を終えて部屋で深くため息をついた。自分の家だというのに誰かがいるだけでこんなに疲れるものか。そもそも家にいるのが名前だから、というような気もした。
名前とは腐れ縁のようなものだった。我輩とオーストリアと名前はよく一緒にいた。いや…一緒にいたというかなぜかよく鉢合わせる仲だったと言った方がいいだろうか。あの頃のオーストリアは今よりもドジで…名前はもっと愛嬌があった。思い返せば幸せなのはあの頃だけだったかもしれない。ある時から名前は我輩のことを避けるようになった。名前がこけて手を差し伸べてもあいつはオーストリアの手を取った。贈り物をするときも我輩にはそっけなく、オーストリアには笑顔を見せた。そうして我輩ではなくオーストリアと今だって一緒に暮らしている。我輩が邪魔だったならはっきり言えばいいと思ったし、言葉にした。それなのにあいつはひどく傷ついた顔をして泣きそうになった。あの時、泣いていいとしたら我輩の方に決まっている。そういうところに苛ついて結局疎遠になり、関わらないようにしていたのに、飛んだ災難である。過去のことを思い出し、苛立ちが募ってきたところで我輩は考えるのをやめた。考えても嫌な思い出しかないのだ。明日もあいつと顔を合わせないといけない。そう思うだけでため息がまた一つ落ちた。

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徒野