4.
名前さんが家に来て何日か経った。名前さんに対して何故か兄様は態度が冷たい。私を助けてくださった時とは大違いの兄様にどうしてかしら、と思うけれど聞いていい雰囲気でもない。理由がわからなければどうしようもなかった。名前さんにお料理を手伝ってもらいながらぼんやり思案する。話している限り名前さんはとても優しくて兄様が嫌う理由がよくわからないのが現状だった。
「…ね、変なこと聞くかもだけどスイスって優しい?」
「え…?」
「リヒちゃんに対して」
名前さんがふわりと微笑む。優しいこの笑顔がどこか切なく感じるのは私がおかしいのでしょうか?
「…兄様は優しいです」
「えへへ、そっか!そうだよね」
まるで自分が誉められたかのように名前さんは嬉しそうにする。そんな彼女を見て私もついふふ、と笑ってしまう。
「…あのね、スイスが私に対して当たりが強いでしょ?でもスイスは悪くないんだ。だから嫌いにならないでいて…ほしい」
私がいうのも変だけど、と名前さんはつけ加えた。不思議そうに彼女の顔を見るとえこさんは笑って
「過去に…ちょっとね、」
と困ったようにした。私はそれを聞いていいのかいけないのか、判断がつかず息を呑んだ。そして、言葉が出てくるよりも先に
「次はこれ切ったらいいかな?」
なんて何もなかったように名前さんが続けるものだから、私は何も言えずあわてて返事をするしかできなかった。
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徒野
「…ね、変なこと聞くかもだけどスイスって優しい?」
「え…?」
「リヒちゃんに対して」
名前さんがふわりと微笑む。優しいこの笑顔がどこか切なく感じるのは私がおかしいのでしょうか?
「…兄様は優しいです」
「えへへ、そっか!そうだよね」
まるで自分が誉められたかのように名前さんは嬉しそうにする。そんな彼女を見て私もついふふ、と笑ってしまう。
「…あのね、スイスが私に対して当たりが強いでしょ?でもスイスは悪くないんだ。だから嫌いにならないでいて…ほしい」
私がいうのも変だけど、と名前さんはつけ加えた。不思議そうに彼女の顔を見るとえこさんは笑って
「過去に…ちょっとね、」
と困ったようにした。私はそれを聞いていいのかいけないのか、判断がつかず息を呑んだ。そして、言葉が出てくるよりも先に
「次はこれ切ったらいいかな?」
なんて何もなかったように名前さんが続けるものだから、私は何も言えずあわてて返事をするしかできなかった。
徒野