一年目の委員会

「じゃんけんで負けて、ボランティア委員になったわけだけど……」

委員会に入る気はなかったのだが、じゃんけんで負けてしまい余っていたボランティア委員になってしまった。
中学校に入ってまだ数日。部活に慣れるのと学校生活に慣れるので精一杯だが、更に仕事が加わると考えると、凪は顔を渋くした。

「忙しくないといいなぁ」

今日は初めての委員会なのだが、二人一組で出席する所、相方が病院があるらしく、一人で参加せざるをえない。幸先悪いな、と少し腐りながら、凪は集合場所の教室へと歩いていた。
指定された教室で名前とクラスの確認を受けた後、適当な席に座ると委員会が始まるのを待つだけになる。思っていた以上に他の生徒の集まりが悪い。ぼんやりと教室を眺めていると、ふと目の前に影が射した。顔を上げるとニットを被った男子生徒が立っていた。

「ねぇ、キミの隣の席って誰か来る?」
「いや、来ないよ。座る?」
「そうさせてもらうよ。そのリボン、同じ一年だよね?」

頷き返すと、男子生徒は隣の席に腰を掛ける。

「ボクは松野空介。マックスって呼んでね」
「私は鳴海凪。呼び方は自由で良いよ。同じ委員として、よろしく頼むよ!」

凪が手を差し出す。マックスはその動作に少し首を傾げた後、握り返した。

「じゃあ、凪で。ヨロシク」
「うん。ヨロシク!」
「ところでさ、何で凪はひとりなの?」
「そういうマックスもじゃないか……私のところは、相方が病院なんだってさ」
「へぇ、奇遇だね。ボクの方もさ」

お互いに一人という共通点の他、見付かった意外な共通点に、二人はくすりと笑った。そのまま話題は他愛無い日常の事へと移っていく。そのまま暫く談笑していると、生徒が揃ったらしく書記らしき生徒が黒板に何かを書き始めた。それを見ると、声を小さくして凪はマックスに言葉を掛ける。

「どうやらマックスとは中々気が合いそうだよ」
「ボクもさ。凪、一年ヨロシクね」

顔を見合せ再び頷き合うと、二人は黒板へと視線を向けるのであった。