一般的な高校生は夏休みを満喫しているであろうこの時期、アイドル科の生徒たちは夏休みであろうと学院内外でライブ活動に勤しんでいた。
氷室美雪、彼女にとっては人生ではじめて経験する『夏休み』である。音楽科で行われた始業式と対になる終業式を終え、その翌日から学院に来ても良いし来なくても良いという日々が訪れることになった。
彼女の夏休みの過ごし方はこうだ。アイドル科の生徒たちと次のライブに必要な曲を話し合う『ユニットの日』であればアイドル科に訪れ、彼等と対談を重ねる。それを終えて用事がなければ、新たな刺激を求めてアイドル科を探検する。今すぐにでも筆を執って楽譜に書き起こしたいと思うような音楽が脳内に鳴り響けばそのまま作曲をする。『ユニットの日』でなければ、一日中音楽科のある一室──教師からも生徒からも家柄や性格から遠巻きにされているため、ほぼ彼女専用の部屋となっている──に籠もって作業をしていることもあった。
屋敷のものが迎えにくる十七時頃まで学院で過ごすのが彼女の夏休みの一日。
美雪は特殊な幼少期を過ごしてきたため、学校で過ごす日々をはじめて体験したのも数か月前からだった。氷室の屋敷には彼女の望みで用意された楽器や機器が充分なくらい設置されているが、家があまり好きではない彼女は音楽科の一室で作業をする時間の方が長かった。屋敷の者以外、外の世界と触れることは、彼女にとって強い刺激になる。
「……お嬢様?」
「…………はい」
「そろそろ、アイドル科に向かわれた方が良いのでは?」
美雪に声を掛けた虚弱そうな見た目をしている男性は氷室財閥の執事だった。美雪と年齢が近かった彼は急遽夢ノ咲学院の音楽科に転校することになり、音楽科で過ごしている美雪の傍に立ち、身の回りの世話をしていた。送迎車の運転手を務めているのは彼の兄である。
部屋の壁時計を確認した美雪は、執事が言うようにアイドル科に移動すべき時間になっていることに気づいてシャープペンシルをペンケースに仕舞った。執事は散らばっている楽譜を順番に揃えてファイリングをし、ヴァイオリンケースを持って扉の前に立ち、主人の用意が出来るのを待った。片付けを終えた美雪はトートバッグを担いだ。
「……本日は、どちらのユニットで?」
「…………fine」
「天祥院の……くれぐれも、気をつけてくださいね。氷室財閥の……」
「……わかってる」
表情を強張らせた執事からヴァイオリンケースを引っ手繰るように受け取った美雪は、執事が開いた扉をくぐって外に出るとアイドル科に向かった。
***
先日、MaMの小規模なコンサートで美雪と出会った英智は、七夕での一件から彼女から曲の提供を受けるのは難しいのではないかと思いつつ、不安に思っているのをいつもの微笑みの下に隠して接近した。事情を聞き齧っていた敬人は神妙な面持ちで見守り、コンサートに参加するレオを守るため二人を警戒していた斑は目を細めてその様子を観察していた。
「やぁ、美雪ちゃん。君もこのコンサートに来ていたんだ、三毛縞くんに誘われたのかな? 奇遇だね、良ければ隣の席に座っても良いかい? ありがとう。ああ、敬人も来ているんだよ。知っているかもしれないけれど、僕たちは幼馴染なんだ。ところで、君も制服なんだね。高校生である僕たちにとっては制服が第一礼装だけど、いつか君の私服を見れたら嬉しいな。きっと私服姿も可愛いんだろうね。……この間の七夕祭、Valkyrieの舞台は素晴らしかったね。敵対していながら、僕は彼らの偉大さを感じ取っていたよ。夢ノ咲学院の帝王は健在だったとね。君は先日、桃李に向かって『七夕はfineの味方はできない』と言ったけれど、七夕が終わった今は協力してくれると解釈しても良いのかな? 実は今度のライブで新しい曲を披露したいと思っているのだけれど、是非美雪ちゃんの曲を使わせてもらいたいと思っていて」
「……はい。わかりました」
美雪が反応する暇もなく一方的につらつらと話し続けた英智は、美雪のあっさりとした返答に思わず固まった。断られれば食い下がってどうにか上手い具合に丸め込む算段だった彼はぽかんと口を開けて「え、ほんとに?」と確認した。
「ほんとに良いの?」
「……? はい」
「……良いんだ」
その後、斑のコンサートを共に鑑賞し、英智は次なる『fineの日』を取り決めた。スケジュール帳に羽のマークを描いた美雪は氷室のお付きの者と会場を後にする。
今日はその日に取り決めた『fineの日』だった。
顔馴染みと化した警備員に挨拶をした美雪は、顔パスでアイドル科の敷地内に足を踏み入れた。
校舎に向かう途中、美雪は木の下で寝ている人物がいることに気が付く。脚が見えていたからだ。大きな木の下は影になってはいるが、この時期には暑いだろう。美雪は不思議に思いながら寝ている人物が誰なのか、覗き込んでみることにした。
温い風に黒髪が靡いている。やはり暑いのだろう、我慢してまで外で眠る必要はあるのかと思うほど、彼の額には汗の粒がついていた。寝苦しいのか唸り声も聞こえる。色白で黒髪の彼は「ううん……」と寝返りを打って、美雪に顔を見せて来た。その顔に見覚えがあるように思えた美雪は、膝を折ってまじまじと見つめる。
瞳が閉じられていて色がわからない。もしその目が血のような赤色だったら、美雪は「もしかして」と思えていただろう。
美雪は彼の瞳の色を想像しながら、トートバッグからスケッチブックを取り出した。左手に鉛筆をもった彼女は傍らに寝転んでいる黒髪の彼の輪郭を描き始めた。鉛筆が紙を撫でる音に、彼女のハミングが混ざる。「ラ、ラ……」と時折掠れるくらいにか細い声で歌を紡いだ。
木漏れ日が動く。木を見上げて眩しそうに目を細めた美雪はじんわりと滲んだ汗を手の甲で拭った。スマートフォンで時刻を確認した彼女は、『fineの日』の時間が迫っていることに気づいてスケッチブックを畳んだ。何かに気を取られてしまうと本来の目的を忘れてしまうことがあるのは、彼女の特性だった。
「……行くの?」
トートバッグに荷物を仕舞ったところでハスキーな声が響いた。寝起きで掠れてしまったのだろう、黒髪の彼が閉じていた赤い瞳を薄く開いて美雪を見ていた。ごろん、と寝返りを打った彼は眠たそうに微笑んでいる。
「聞いたことない歌だった。何て言うの?」
「……名前は、ありません」
「……名無しの歌?」
「……まだ、誰にも預けてない歌だから……」
「……アンタが作ったの?」
頷いてその場を立とうとする美雪を彼が引き止める。
「ねぇ、待って」
腕を引っ張られた美雪は芝生に後戻りした。黒髪の彼はスンスン、と匂いを嗅いでいる。
「あま〜い匂いがする……」
「……?」
「ねぇ、ねぇ。ちょっとだけ齧っても良い? 一口だけだからさ……」
「……食人ですか?」
「え、カニバリズム? そこまで野蛮じゃないし〜。俺は吸血鬼」
「……貴方、朔間先輩のご兄弟ですか?」
美雪が尋ねると、彼は赤い瞳を細めた。腕を掴む力が強まり、美雪はやや眉を顰める。
「……俺、そう言われるの嫌いなんだよね。アイツの兄弟とか、弟とか、そういう風に言われると気分が悪くなる」
「……弟。……お兄さんのことが、嫌いなんですか?」
「……嫌いだね。鬱陶しいし、うざったいし、比較されるし、色眼鏡つくし」
彼──凛月は美雪に対する興味が失せたのか、再び芝生に寝っ転がった。
「……血の繋がったキョウダイって、仲が良いものだと思っていました」
「そうでもない家だってあるでしょ。頼朝と義経って知らない? 学校で習う平氏と源氏ってヤツの、源氏の方。あれだって兄貴が弟のこと気に食わなくなって殺してるし」
「……昔の人物と現代を引き合いに出すのは、少し違う気がします」
「変わんないよ、昔も今も」
「……殺したいほど嫌いなんですか?」
静寂が訪れる。答える気がないのか、返答を考えている内に悩んだのか、凛月は目を瞑ったまま黙っていた。ものの数秒で二度寝をしたわけではないだろう。美雪は今度こそ立ち上がって凛月を見下ろした。
「……失礼します、朔間先輩」
「その呼び方やめて」
「……では、なんと?」
「凛月で良い」
「……何年生ですか?」
「は? ……二年だけど」
「ユニットは?」
「……Knights」
「ああ、Knights……残念」
小さな呟きに、凛月は訝し気な表情で目を開け、美雪を見上げた。
「……残念って、何が」
「Knightsには、私は曲を作れないので」
***
いつものfineのレッスン室にやってきた美雪は、扉をノックして部屋に入る。
「あ、美雪!」
「……姫宮くん。御機嫌よう」
「……あっ、うん。御機嫌よう……なんだけど、その髪どうしたの?」
ストレッチをしていた桃李は久々の美雪の登場に目を輝かせるが、彼女の髪型がいつもと違うことに気が付いて尋ねた。美雪の頭には金のカチューシャがあり、いつもは降りている前髪をあげて、可愛らしい丸いおでこを出している。
「……さっき、鳴上先輩とすれ違って。……凛月先輩を探しているみたいだったから、場所を教えたら、くれた」
「『くれた』? なんか色々と端折ってない? 美雪ってよく話の大事な部分折るよね」
「……そんなことはないと思うけど。そのままだし」
「まあ似合ってるからいっか。可愛いじゃん」
「……ありがとう」
話が落ち着いたところで、弓弦が横から「失礼します、氷室様。粗茶ですが」と言って紅茶を出してくる。レッスン室にティーカップは不似合いだが、グラスにスポーツドリンクを入れても「それがfineクオリティ」として成り立たせることができるのが、夢ノ咲学院の頂点に君臨するユニットだ。
「美雪ちゃん、よく来てくれたね。……ふふ、可愛いおでこが見えている。そういうのも良いね、とても新鮮だ」
「私も美雪さんの御髪を弄っても?」
「……ええ、どうぞ」
「ありがとうございます! お揃いにしましょう、お揃い!」
「え、美雪とロン毛が同じ髪型になるの? それはなんか、ちょっと……」
「おや姫君、やきもちですか? 仕方がないですねぇ……では姫君もお揃いにしちゃいましょう!」
「うぎゃあ! やめろー!」
渉に襲い掛かられた桃李が威嚇する猫のようにパンチを繰り返すが、渉は目にも止まらぬ早業で桃李の頭にお団子と三つ編みを作り、前髪をピンで留めた。ぎゃあぎゃあ喚く桃李を置いて、渉は「英智も! ささっ、執事さんもどうぞ!」と言って英智と弓弦にピン止めを渡した。ピンにはそれぞれ動物キャラクターのマスコットがついている。英智はノリノリで前髪を留めて「いえーい♪ どうかな」と渉にアピールした。
「英智は何とかなりそうですが、執事さんはお団子となると少々難しそうですね……」
「すみません」
「とはまるで思ってない顔をしていますね! Amazing!」
前髪をちょん、と留めた弓弦がにっこり笑った。
「さて、お話を進めても宜しいでしょうか?」
「ああ、構わないよ」
「では失礼して……こほん。今回のライブなのですが、ツアー前の期間に合宿という名のプチ旅行……バカンスのようなものをできたらと思い、僭越ながら私が企画を考えさせていただいております」
弓弦は説明をしながら人数分用意された書類をひとりひとりに配っていく。それぞれが自分のペースで眺め、弓弦は細かい解説を付け加えていった。
「南の島かぁ……美雪も来たら? 気分転換になるかもよ? ……あ、でも美雪もお嬢様だからバカンスくらい行ったことあるか。あんま新鮮じゃないかな……」
「……ううん、バカンスは、したことない」
「あれ? ないんだ、なんか意外かも。氷室だって島の十や二十持ってるでしょ?」
「……そうなの、かな」
財閥の中でも秀でた存在である氷室のことだ、と桃李は当然のように聞くが、美雪の返答は曖昧なものだった。桃李は(美雪ってお家のこと、よくわかってないよなぁ)と彼女の横顔を眺めた。
(ま、ボクも聞かされてないことは多いから、人のことは言えないか。氷室はあの人……美雪のお兄さんが実権を握ってるんだし。妹でお嬢様の美雪は知らなくて良いことが多いんだろうな)
主人が美雪と共に南の島で過ごしたいという思いがあることを察知した弓弦が、黙りこくった美雪に伺いを立てる。
「……如何なさいますか、氷室様。飛行機もホテルもこちらでご用意できますが」
「うん、ゆったり寛げる空間を提供するよ」
「……いえ、私は、いいです」
「えっ、行かないの? 折角のバカンスなのに。色々あるんだよ? 海とか南国フルーツとかプールとか、楽しいよ? 美雪の大好きな刺激がいっぱいあるんだよっ? メロディが溢れて止まらないかも〜っ!」
旅行に乗り気ではない様子の美雪に桃李が彼女の好きそうなものを並べてみるも、美雪の表情は浮かないままだった。ゆっくり首を振る。
「……うん、でも、大丈夫」
「なぁんで〜っ? 一緒に行こうよ〜!」
「……海外は、危ないから」
「危ない? 治安が悪い地域ではないし、僕の家からSPも出るから安全に過ごせるはずだけれど」
「あ……いえ、そういう意味じゃなくて、……えっと」
言葉に詰まった美雪は、次を考えているらしい。やがて見つけた言葉を小さく言う。
「……海外は、ほとんどお兄様の領域で」
「領域……? 陣取り合戦でもしてるの? え、氷室は兄妹でそういう遊びをするのっ……?」
「世界をフィールドに陣取り合戦ですか……おっそろしいことをしてますねぇ」
「……してない、です。……ごめんなさい、説明が難しくて……私が下手なことを言うと、お家の迷惑になって、椚先生も怒るから……この話はこれでお終い」
「ええ〜! 納得できるように説明してよ〜!」
「……坊ちゃま。氷室財閥には氷室財閥の御事情があるのでしょう。詮索するのは紳士のすることでは御座いませんよ……会長さまも、宜しいですね?」
「ちぇ」
氷室のボロが出るのではないかとウキウキ気分で美雪から話を聞き出そうとしていた英智に、弓弦が釘を刺した。
(弓弦は分かってないなぁ。美雪ちゃんが僕たちに曲を作ってくれなくなったとき、氷室を脅して彼女に曲を作らせるためのネタが欲しいんだけど……まあ、焦る必要はないかな。七夕が終わって、こうして普通に『fineの日』を迎えることができた。彼女はfineに対して、そこまで敵対心を持っているわけではないようだし)
嵐が与えたカチューシャのお陰で、俯いていても彼女の綺麗な顔ははっきりと見えている。英智の視線の先で美雪がパチリと瞬きをした。
サマーバカンスで開催されるフェスティバルの内容を把握した美雪は新曲を作るためにレッスン室に残り、隅っこに五線紙を並べて座り込んでいた。七夕祭から成長したfineの姿を見せることで彼女のインスピレーションに繋がるようにしたいと桃李が申し出たからだった。美雪はfineが歌い踊っている様子を見ながらメロディを並べていた。
「はひぃ〜、休憩〜」
「……お疲れ様」
「……美雪ってさ、表情筋ちゃんと生きてる?」
「……生きてるよ?」
休憩になると、桃李はタオルで汗を拭い、ドリンクを飲みながら美雪の隣に腰を下ろした。美雪が無表情なのが桃李は不満だったらしい。どうせなら微笑みながら労われたかったのだろう。
「もっとさ、大声で笑えとは言わないけど、ちょっとくらい笑ったら? あんずも無表情っぽいけど、まだ人間味があるよ。美雪は完全に死んでるね。だからボク、初対面のときに人形だと思ったんだよ」
「……うん。よく、言われる」
「あと回線。繋がってる? 遅くない?」
「……うん。よく、言われる」
「同じこと繰り返された……!」
意図はしておらず偶然同じ返答になってしまっただけだが、桃李は呆れて怒る気力もなく、肩を落とした。ズイ、と身を乗り出して美雪の頬っぺたを掴む。
「うわぁ……つるつる、ふにふに……」
「……?」
「コホン。……笑顔のやり方わかる? 口角をこうやってぇ〜」
「……ひめみゃくん、はにゃして」
指先を口角に突き刺すようにして無理矢理笑顔を作らせようとする桃李に、美雪は顔を背けて抵抗した。
「なんだか子猫が戯れているみたいですねぇ」
「ああ、本当に。微笑ましいよ」
「永遠に見ていられます」
先輩三人はきゃいきゃいと可愛い一年生のやり取りを観覧していた。
「じゃあボクの見てみてよ。ほら、桃李様のアイドルスマイルだよ〜♪ 無料で見られるなんて光栄に思うことだね〜ん」
両手の人差し指を立て、ほっぺにぷにっとする可愛いポーズを繰り出した桃李を、美雪は大きな瞳でじっと見つめた。流石の桃李の口角にも限界がある。ピクピクと震え、いつまで経っても真似をしない美雪に腹を立てた桃李はポーズを取るのをやめて地団駄を踏んだ。
「もうっ! このボクが見本を示してやってるって言うのに〜!」
「……ああ、真似をしろってこと?」
「そうだよっ。できるもんならやってみな、ふーんだ」
桃李の意図を理解した美雪はゆっくり人差し指を立てて、ほっぺにぷにっとした。そしてきゅっと口角をあげて、ふわっと微笑む。
「……」
「……」
「……」
「……え、え、嘘。表情筋生きてた……?」
「……真似っ子は得意なんだ」
「すぐ戻った……⁉」
美雪が浮かべた『桃李のアイドルスマイル』は一瞬にして姿を消してしまう。桃李は「もう一回、ちょっと、もう一回やってみて!」と迫るが、美雪は「……筋肉痛になっちゃう」と拒否。桃李に便乗した渉がポケットからスマートフォンを出して写真アプリを起動した。
「美雪さん! ちょっと写真に撮るだけなので! 宗に送って自慢するだけなので! もう一回『姫君スマイル』をして貰えます⁉」
「あ、ずるい! 弓弦! 弓弦、カメラ!」
「はい、こちらに」
「……撮らないでください」
美雪はカメラを向けて迫ってくる三人から逃げるようにして英智の後ろに隠れた。スマートフォンの画面をタップして電話をかけている英智は目を丸くして微笑み、美雪の頭を撫でながらワンコールで出た相手に要件を話す。
「……ああ、僕だよ。屋敷にある一番高いカメラを持ってきて。あと撮影用の機材と女の子の衣装も。サイズはSSで。急ぎで頼むよ」
「……天祥院先輩?」
「うん?」
「……離してください」
「離したら逃げるだろう? ふふ、非力で可愛いねぇ……大丈夫だよ、怖がることはないさ。ただ少し、おめかしして写真を残させてくれればそれで良いから。……僕の傍が安心だと思った? 悪いね、僕は元来、欲望に忠実な悪い男の子なんだ……♪」
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