シャッフルユニット企画の際に聴いたチャペルの鐘は、レオに美雪の顔を思い浮かばせた。彼女と出会ったとき、はじめて声を聴いたとき、レオには神々しい鐘の幻聴がした。
そういう存在、世界から生み出された奇跡そのものの彼女が、一生に一度の姿でレオの前に立っている。
「……ねぇ」
「……」
「……レオさん?」
「……あ、ごめん。何?」
一度の呼びかけで対応せず間抜けな面を晒しているレオに、美雪は眉を顰めてため息を吐く。
「何って。……どうなのか聞いているんです」
「どうって?」
「……ドレスに決まってるでしょう。貴方ここに何しに来たの」
「あ、あー。ドレスな。うん、ドレス……似合ってるぞ?」
ドレスショップにて。レオはソファに座り、フィッティングルームから出て来た美雪に見惚れて鈍い反応しか返すことができなかった。曖昧な返答では女の気持ちも降下する。美雪は自分が最初に選んだドレスが彼の眼鏡にかなわなかったのだろうか、と衣装を見下ろし、周りに並べられているドレスたちに目を向けた。
「……次、これにします」
「え。それぇ?」
レオは美雪が取ったドレスを見てぎょっとする。自分のチョイスを疑われた美雪は不服そうにレオを睨んだ。
「……何。駄目なの?」
「駄目だろ、こんなん。デコルテ見えすぎだって」
「……でもパフスリーブがふっくらしていて可愛いでしょう?」
「可愛いかもしれんが却下」
「……じゃあこっち」
「背中見えすぎ。ガバガバじゃん」
「……なら」
「それも駄目。体のライン出過ぎ」
この場にある全てのドレスにバツがつけられそうだ。美雪はどれを選んでもレオに駄目出しを喰らうため、時間がいくらあっても足りないように思えた──ここは氷室財閥の傘下のため、ドレス選びの時間制限など設けられてはいないが。
「……やっぱり宗さんに作ってもらった方が」
「それは嫌だって言っただろぉ⁉ 一生に一度の衣装を男に作らせて堪るかってんだ!」
「……ここにあるドレスだって作り手が男性か女性か分かりませんけど。それに、宗さんに作ってもらえば貴方だって満足する仕上がりになるはずです。何故嫌がるの?」
「男心」
「……はぁ?」
レオの相手をしているのが面倒になった美雪はソファに腰掛けると「もう貴方が選んで」と丸投げした。レオは不貞腐れたようにドレスを一着一着確認していく。
「くそ……なんでウエディングドレスってこんな肩の防御無いの?」
「……美しく見えるからではないですか?」
「うわっ、これおっぱい見えちゃうじゃん。自分の嫁の谷間を見せつける男の気持ちが理解できん……」
レオがぶつぶつ文句を言いながら探していると、美雪は律儀にレオの独り言にも似た疑問に答えた。
「……新婦が着たいという気持ちを尊重する新郎もいらっしゃるのでは?」
「何だよ、お前は自分のおっぱい見せつけたいのかよ。シュウが卒倒するぞ」
「見せつけたいだなんて言ってません。何を着るのも本人の自由だと言いたいだけです。……大体、どうして殿方は女性が露出していると『男を誘っている』だなんて思考になるんです? 自分のしたい恰好をしているだけで貴方には見せていません。勝手に興奮されてこっちは気持ちが悪いわ」
彼女の台詞がやけに具体的に感じたレオは振り返り、ウエディングドレスを着たままソファで肘をついてくつろいでいる美雪に目をやった。大きな瞳とばっちり合う。美雪は瞬きをして小首を傾げた。
「……ファンにそういうこと言われたの?」
「……時々いるでしょう? 不思議なお客様って」
「おれは男だからリアコとかメンヘラっぽい子にちょっと変なこと言われて困る程度で済むけどさ……今まで何言われた?」
美雪は覚えている限りのファンとの交流で聞いた言葉を、指を折りながら思い出した。
「……女性ユニットになってから露出が増えたので、『興奮した』とか『誘ってるの?』とか、『あの歌詞って俺のこと?』とか『腋舐めたい』とか」
「うわぁ…………ん? 腋?」
生々しい気色悪さに同性のレオも引いた。性的興奮をしていると本人に馬鹿正直に伝えるのは、余程の無神経か勇気ある者か。恐らくほとんどが前者だが、中には『性的に見られること』を褒められることだと純粋に思っている質の悪い輩もいる。
レオはドレスを選ぶのをやめて、美雪の隣にドカッと腰を下ろした。ぱかっと口を開くが、間近に花嫁衣裳に身を包んだ彼女がいることを忘れており、うっかり改めて見惚れてしまい何を言おうとしたのかを失念する。すると間抜けな顔を晒したままのレオに美雪は「……なに」と催促してくる。
「……いや、やっぱそれ似合うなって」
「…………」
ちら、と今身に着けているドレスを見下ろした美雪は、先程の微妙に感じた彼の反応は何だったのだろう、と思う。適当に呼ばれたから返事をした・質問されたから当たり障りのないことを言った、というわけではなかったようだ。きっとレオは美雪がどれを着ても、それを悪く評価することはないだろう。露出控えめ・セクシー過ぎないという条件さえ満たしていれば、どのドレスも似合いすぎて悩んでしまうほどに彼女を愛しているのだから。
「お前が選んだだけあって、お上品で良いじゃん」
「……何ですか。その上から目線な感じ」
「えっ⁉ え、ごめ、褒めてるんだけど……?」
花婿は機嫌を損ねた、と焦り出す。レオも彼女も調子外れな部分がある。これから結ばれるというのに「やっぱり別れましょう」なんてことになっては堪らない。
「す、凄いぞ! 似合ってるぞ! 流石おれのお嫁さん! 可愛すぎて踊り出しそう! 美し過ぎて吐血しそう! 狂おしいほど愛してる!」
レオはソファの周りを飛び跳ねながら言った。いつも宗から褒めちぎられている美雪だったが、レオ独特の、どこか可笑しな表現に肩を竦めた。
レオからの直球な愛情表現にまだ慣れていなかった。
その日の帰り道。結局美雪が最初に選んだドレスに決めた二人が歩いていると、人気の無い通りでか細い鳴き声がした。それは音楽に精通している二人でなければ聞き取ることは難しいくらい小さなものだった。
「猫が会話してる」
「……野良と、捨て子?」
「見た感じそうだな」
立ち止まった二人の視線の先には路地裏があり、段ボールがこっそり置かれていた。そこから顔を出している三毛猫は恐らく捨てられたのだろう。レオは、所謂「拾ってください」系なのだとしたら、もっと気づかれやすいところに置くべきではないだろうか、と思った。飼い主が自分では育てることが出来ないと判断して他者に世話を押し付けようと言うのなら、捨て猫に少しでも長く生きて欲しいと思うのなら。
段ボールの外に座っているのは路地裏の闇に溶け込んでしまいそうな黒猫。どちらから声をかけたのか、三毛と黒は「にゃんい?」「にゅう」「みーん」「まぅ」とコミュニケーションを継続している。
「おお、よく喋るなぁ」
レオが近づいてしゃがみ込むと、二匹はじっと彼を見上げた。美雪もレオの隣に腰を下ろす。
「……捨て猫、はじめて見ました」
「そんな頻繁に捨てられてるもんじゃないしな。逆にしょっちゅう見かけてたら無責任な人間が増えてるってことだよ」
「……この子は、これからどうするんでしょう」
「野良に勧誘されてるんじゃない? 野良デビューするとか」
レオが適当なことを言うと美雪がスマートフォンを操作して検索ボックスに単語を入力していった。
「……動物病院に連れて行きましょう」
「両方?」
「ええ。このまま拾われるのを待つにしても、野良になるにしても、過酷で劣悪なことに変わりはありませんから。放置して衰弱死されては堪りません。もし私たちが去った後、ただ『可哀想だから』という理由で無責任な人間に拾われたら堂々巡りではありませんか。私たちは幸い、お金には困っていません。保護できる人間なのだから保護すべきです」
「……それもそうだな」
二人は夢ノ咲で学院付近の野良猫らと触れ合う機会があった。故に猫に対する思い入れがあり、そして扱い方もそれなりに分かっていた。レオは黒猫をひょいと捕まえて三毛猫の入っている段ボールに入れると、それを抱えて病院を目指すことにした。段ボールから顔を出した三毛がレオを見上げて鳴く。
「三毛……ママ。いや猫にママはないか。じゃあミケランジェロ」
「……なぜ?」
「三毛だから」
「……この三毛ちゃんは女の子みたいですけど」
「細かいことは気にしない。黒猫はお前が決めて良いよ」
「…………では、シューベルトと」
「え、歌曲王? 好きなの?」
そう言えば彼女の好きな作曲家を知らなかった、と思ったレオは美雪の顔を見遣るが、美雪はシューベルトと名付けた黒猫を見下ろしているだけで肯定も否定もしなかった。
***
一昔前のアイドルと現在のアイドルの違う点にメディアがアイドルのプライベートをある程度は尊重するようになったことが上げられる。それでも週刊誌などに隠し撮りをされることはある、火種になり炎上することも。
氷室美雪という女性アイドル時代・始まりの象徴とも言えるアイドルは、メディアの動きを一昔前に戻させた。デビューしたばかりの頃、高校三年生だった彼女の修学旅行にマスコミが着いてきたのにはESの多くのアイドルが驚かされた。
美雪が事務所に「結婚する」と報告するとマネージャーの倉見は椅子からひっくり返った。リズリンの上役らは当然、女性アイドルの象徴とも言える氷室美雪が結婚することに難色を示したが、人気の増減──つまりは金の問題──を気にして「結婚するな」など言えるはずもなく、また言えたとしても月永レオと氷室美雪の決断を捻じ曲げることなど到底できるはずがなかった。
「まず、こうして会見を開こうと思った経緯・理由をお聞かせいただけますか?」
容赦ないフラッシュの嵐の中、腰掛けた二人にかけられた最初の質問に美雪が応えた。
「はい。皆様に応援していただいている身である以上、自分たちの言葉でご報告する事が皆様の愛に対する誠意であると考え、こうして会見の場と機会を設けていただきました。お忙しい中お集りいただき有難うございます」
美雪が頭を下げたのにレオも続く。月永レオと氷室美雪の結婚ともなればどんなに忙しくてもマスコミは集まるだろう。彼らの仕事を理解し労いの言葉をかけることで味方につけ自分に不利な情報を書かせないというのが、美雪の世渡り上手なところだった。「お疲れでしょう? これ、宜しかったら」と言ってお菓子を配ると、美雪のことを調べ回っているパパラッチは(氷室美雪は固形物が苦手なんじゃ──まさか俺のために持ち歩いて……?)とあっさり落ちる。
昔、レオがそれを計算してやっているのか、無意識でやっているのか疑問に思い尋ねると、「少し優しくすれば嫌なこと書かれないなら、そうした方が得でしょう」と何とも可愛くない答えが返ってきた。レオが思ったまま指摘すると、美雪は顔を顰めて「……貴方たちが世間体も気にせずに好き勝手発言するから私が防波堤になるしかないんです」とぼやいた。「貴方たち」とは勿論レオと宗のことであるが、美雪が防波堤になろうとしたところで美雪に好意を持った記者から二人が叩かれているのは、彼らが美雪に近い以上仕方のないことだ。
「お二人の結婚に我々マスコミもファンも驚きを隠せないのですが……お付き合いはいつ頃から?」
「去年の二月末です。おれから言いました」
「高校時代からご一緒と伺っていますが、それまでお互い意識はされていたんでしょうか?」
「おれはバリバリしてましたけど美雪さんは全然」
レオも授賞式などに出席することもあるため、フォーマルな場面にはある程度慣れている。双方のファンのことを思えば畏まってやるべきではあるが、『結婚』とは当人らにとってはめでたい催事だ。レオは少しくらい良いだろう、といつもの自分を出して冗談めかしく隣に振ってみる。
「意識……? いつしてたんですか?」
「会ってる時も会ってない時もずっとだけど?」
「……あの態度で?」
「やめて態度とか言わないで」
ツンデレ時代はレオの中で黒歴史と化していた。今でも素直になれず強がってツンケンしてしまうことは稀にあるが、昔の自分を掘り起こされてメディアに注目されるのだけは避けたかったレオは次の質問を促して逃げる。
「月永さんは現在二十三歳、氷室さんは二十一歳と世間的には早めな御結婚のように思うのですが」
「うーん、それはおれも思ったんですよ、早すぎると周りから白い目で見られるでしょ? おれは別に良いけど、美雪さんまでそういう偏見の目で見られるのはなぁって渋ったんです。でもさ、考えてみるとこの人をちょっとでも放っておく方が怖いんですよね」
「怖い、とは?」
「他の男に攫われちゃうよなーって。こんな可愛すぎる女の子、男が狙わないわけないじゃないですか。だったら『もう結婚しました』『既婚者です』『人妻です』『おれのお嫁さんに手を出さないで』って宣言しちゃった方が良いじゃん? って感じです」
来るだろうと思っていた質問だ、レオは堂々と答える。その横で美雪はぱちぱちと瞬きをして目を伏せ、鼻を触った。
「人気商売だから、結婚や結婚相手を公表することのリスクは理解しています。応援したり喜んでくれたりするファンもいれば、おれや美雪さんが結婚することで傷つくくらいに愛してくれてるファンがいることも。結婚を隠してアイドルを続けることだっておれたちには出来たけど、その選択をすることも間違いではないと思うけど、おれたちは隠したくなかったから発表してます。氷室美雪と結婚するって、色んな男から夜道に背中狙われそうでマジで怖いけどさ」
「じゃあやめておきます?」
「やめないです」
美雪がしれっとからかうように横槍を入れるとレオが食い気味で否定した。レオは咳払いをして、折角恰好をつけていた空気を失わないようにして続けた。
「『アイドルとしての月永レオ』は、今までもこれからも誰のものでもない。未来永劫、皆のことを愛してる。だけど月永レオ個人が、一人の女の子を愛して、個人的な幸せを得ることを許してほしい。……なんて、『結婚に許しがいるわけないじゃん。バカじゃないのぉ?』ってセナが言ってたけど」
Knightsに迷惑をかける決断だろう、とレオがメンバーに告白した際に泉は二人を祝福してそう言った。司は拳を握って涙ぐみながら喜び、嵐は「やっとねェ」と胸を撫で下ろし、凛月は「あ、俺今度の映画で美雪と共演するけど割と際どいシーンあるかもしれないんだよね。旦那NGとかあったりする?」と茶々を入れた。レオはかなり動揺した。どのレベルの『際どい』なのだろうか。
「プロポーズの言葉は?」
いくつかの質問に答えていく中、ある記者が挙手をした。レオと美雪は揃って空を見上げ、徐々に視線を下ろしていき、目を合わせた。
「……おれってちゃんとプロポーズしたっけ?」
会場がどよめき、シャッター音が一気に増殖した。美雪は「これは火種になり得る発言だ」と思わず苦笑いを浮かべたが、結婚報告の時点である程度の炎上は覚悟している。
「……プロポーズと言って良いのかは知りませんけど、私はそのつもりで受け取った言葉ならありますよ」
「え、どれ? どんなんだっけ?」
「…………要約すると、結婚してくれないなら死ぬと」
「おれそんなダサいこと言った⁉」
あのときのレオは必死で、記憶に残らなかったのかもしれない。美雪は彼の物覚えの悪さと責任の無さにフォローをしてやる必要はないと判断して公に暴露することにした。
「ええ、言いました。号泣しながら」
「号泣しながら⁉ あのっ、そんな詳しく話してもらわなくて大丈夫なんですけど⁉」
「詳しくなんて話していません、『要約すると』と言いました。もっと詳細に語ることもできますけど如何なさいます? 記者の皆様はお求めのご様子ですよ?」
「すみません結構です大丈夫です」
これまで宗を合わせた三人で活動しているときにもその片鱗は見えてはいたため分かり切っていたことではあるが、何人かの記者が『尻に敷かれている』とメモ書きをした瞬間だった。
「ではこの場で再度……」
「こんな公然でやれって⁉」
記者の一人が気を遣わせたのか、これは美味しい展開になると思ったのか。真っ直ぐなプロポーズをしていないのであればこの場を借りるのはどうかと提案する。レオが目を剥くとクスクスと笑いが起こった。
「……じゃあ、やりましょうか」
「何でお前がノリノリなの⁉ お前の方が嫌がりそうな展開なのに!」
「折角みなさんに集まっていただいて気を遣っていただいたのだから」
美雪が記者側の味方をすると期待の拍手が鳴る。後に引けないことを悟ったレオは手を差し出してくる美雪に向き合い、それを握った。
周りが静かになって二人を見守っている。レオはひしひしと視線を感じて言い淀んだ。こんなに大勢の目がある場でプロポーズするなど、気の利いたお洒落な求婚ではないと後々何か言われそうだ。「えと、あの」と言葉が出てくるまで必死に繋ぐ。
「夫婦になりましょう、レオさん」
「へ」
指先を握られサラッとかけられたレオはポカンと口を開けて美雪の顔をまじまじと見た。周囲からは歓声と祝福の拍手が鳴り響く。
「えっ、お前が言っちゃうの⁉」
「? いけません?」
「いやっ、だってこういうのって男から……って決まってるわけじゃないけどさぁ! お、おれを立てるっていうか、かっこつけさせて貰えない⁉ なんか……なんか情けない‼」
顔を真っ赤にさせたレオは「撮らないで……」と表情が見えないよう蹲った。いつもは見えない旋毛に向かって美雪が声をかける。
「私はもう、貴方から求婚として充分な言葉を頂戴したと思っていますから。私もそれにお答えしないといけないのに、あのときは出来ていなかったでしょう? ですから今は私から」
再び手を差し伸べられたレオは聖女の微笑みに眩しそうに目を細めた。
「……貴方が自分の求婚に納得していないと言うのなら、また何処かで仕切り直してくださいまし。いつでもお待ちしております」
グッと噛みしめたレオは美雪の手首を掴んで引き寄せる。彼の思わぬ行動に美雪はつんのめった。
「結婚して」
「……」
「結婚してください」
「……いま言っちゃうの?」
「いま言うよ。このままじゃおれの負けだろ」
「……何を張り合っているんだか」
レオはそのまま起き上がると美雪の唇に触れるだけのキスをした。これにはポーカーフェイスを保っていた美雪も崩れる。何をしてくれるんだ、とぎょっと後ろに飛び退き、悪びれもしないレオを睨んだ。
「こんな公然で何をっ……配慮に欠けています!」
「何でキスが駄目でプロポーズがオッケーなんだよお前は」
「信じられない、最悪……! もう帰るっ」
「え、待ってよ。一緒に事務所に怒られよーぜ、おれ一人やだもん」
「暫く私に話しかけないで」
「ぷりぷりすんなってぇ。ぶちゃいくになってるぞー?」
「……」
「あ。無いものとして扱われてる」
機嫌を損ねた美雪が早足に会場を去り、レオがその後ろを追いかけたことで会見はそのまま終了の流れとなった。
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