「ババ抜き!」
「最弱王!」
「決・定・戦〜!」
「さあ始まりました、ババ抜き最弱王決定戦! 今年もこの時間がやってきましたねー! 司会進行役はリズムリンク所属、Ra*bitsの仁兎なずなと?」
「スターメイカープロダクション所属、Trickstarの遊木真です!」
「ゆうくんあるところに瀬名泉あり、トリスタ担公認・ゆうくん担代表の瀬名泉です♪」
「どさくさに紛れて自己紹介すんな。せめて『Knightsの瀬名泉』って言えよ。というか司会役じゃないヤツはテロップで紹介されるからっ」
「えー、泉さんのことは一先ず置いておいて、ルール説明に入りたいと思います!」
「ゆうくん酷いっ!」
「ババ抜き最弱王決定戦では、文字通りババ抜きをして負けた人が『最弱王』の肩書きを得ることができます! 最弱ですけど、ひじょ〜〜に名誉ある肩書きです。四つのグループに分かれて予選を行い、負け抜いた人が決勝戦に進みます」
「負け抜いたってあんま聞かないよな。基本的には普通のババ抜きと同じで時折心理戦を交えながら争う形ですが、特殊ルールがこちらの『サイコロ』! ジョーカーを持っている人だけが足元にある『シャッフルボタン』を押すことができ、ボタンが起動するとこちらのサイコロが卓上に登場します。サイコロの目には左1・右2などの指定が書いてありますので、その表示に従って、参加者は手持ちのカードをローテーションしていくシステムです」
「つまり、他人にババを押し付けられるってことですね?」
「そのとおり! でももしサイコロがドクロマークだった場合は何も起きません! ババはそのまま! 何の意味もない、残念! そしてシャッフルボタンを押す権利は各々一回のみ! 巡り巡って自分の元にババが返ってきてもシャッフルボタンを既に押してる場合は何もできませんのでご注意ください」
「それでは早速ですが予選と行きましょう! 第一ブロックは天祥院英智さん、朔間零さん!」
(うわ、なんか悲惨なテーブルだな。怖そう)
「風早巽さん、HiMERUさんです!」
(ほんとに酷いな⁉ アイツら絶対に卓の下でシャッフルボタンじゃなくて足を踏み合うだろ! スタッフが面白がってるのか⁉ ちゃんと監修してくれよプロデューサー……!)
***
「いやぁ〜、凄いバトルでしたね」
「まさかHiMERUさんがシャッフルボタンを押して風早さんに押し付けたのに巡り巡ってジョーカーが戻るとは……」
「朔間と天祥院の読み合いが怖いんだよ。笑顔が怖い」
「心外だなぁ、そんなことはないよ。ね、朔間くん?」
「うんうん、我輩たちは仲良しじゃよ〜♪ 同室じゃし」
「さっき足踏み合ってたよな?」
「あれはシャッフルボタンを押そうとして足が滑っちゃっただけだよ」
「いやあの勢いは絶対わざとだろ」
「我輩も踏み間違えちゃったし、おあいこじゃよ、おあいこ♪ 別に気にしてないぞい、これっぽっちも」
「ふふ、そうだね。僕もちっとも気にしていないよ」
「くくく……」
「ふふふ……」
「だから顔が怖いんだって」
「さて、それでは第二ブロックに参りましょう! 第二ブロックは羽風薫さん、天城燐音さん、月永レオさん、氷室美雪さんです!」
「天城はこういうの強そうだよな〜。斎宮、誰が負けると思う?」
「ふむ……この面子なら月永か羽風じゃないか? 座る位置も関わってきそうだけれど」
「確かに。かおくん、こう見えて意外とへっぴり腰なときあるからね」
「スタジオの音声が聴こえていないからって散々な言われ様になっています」
「氷室に見つめられたら読み合いなんて出来ないだろうからね、哀れでならないよ。羨ましい」
「斎宮さん、願望が漏れてますよ」
(あ。れおくん、美雪の隣に座ろうとしたのに天城とかおくんに滑り込まれて対面に座った。ウケる)
*
「おっとぉ〜⁉ ババを持ってる月永さんがシャッフルボタンを押しました! 出た目は……左2です! ババは氷室さんに回ってきました! あっ、今睨みました! 一瞬ちらっと月永さんを睨みました!」
「美雪、目! 目が怖いよ! スマイルスマイル!」
「対する月永さんは気まずそうに顔を背けています!」
「次は天城さんのターンですね。氷室さんの手札にはババがあります。……読み合いをしているようです。見つめ合っています…………ん? これは、天城さん照れていませんか?」
「鼻の下が伸びてるじゃあないかッ!」
「緩んだ頬を叩いた天城さんが気を取り直して引いた札は……なんとババだァー! 天城さんは天を仰ぎました! 氷室さんはお上品に笑っています!」
「兄さん! 大丈夫だ、レオ先輩に引かせれば勝ち抜ける!」
「天城さんはババを左端にセットしました、さあ月永さんは……手がかかりました! 再びジョーカーが戻ってくるか! 引くのか? 引くのかっ? 読み合いの末……引いたァー! 崩れ落ちたァー! 僅か二ターンでジョーカーが戻ってきてしまったァー!」
「れおくん持ってるねぇー」
「月永さんは先程シャッフルボタンを押してしまったため、自力でババを引かせるしかありません! ……あーっと! 月永さん、ババを他の手札より高く設置しています!」
「子ども騙しすぎるぞい」
「羽風さんは苦笑いで他の札を取りました!」
「そりゃそうなるわ」
*
「ここで天城さんが上がりました! 現在ババは変わらず月永さんですが……羽風さん、ババを躱しますが、揃わない! ……氷室さんも揃いません。月永さん、ここで揃えられれば羽風さんにババを渡せるが……? な、なんと! 月永さんが揃いました! 残った手札はジョーカーのみ、そしてそれは、羽風さんに回ってきたァー! まさかの最後になってジョーカーを手にすることとなった羽風薫、この表情だー!」
「氷室さんと羽風さんの一騎打ち、どうなるか⁉」
「……」
「……」
「……美雪ちゃん、あんまり見つめないで。俺死んじゃう」
「……どっちがジョーカー?」
「教えたくなっちゃうから聞かないで⁉ ゲームが成立しなくなるよ⁉」
「……んー、じゃあ……こっち?」
「んぐッ」
「ふふ……それとも、こっち?」
「うう……だから聞かないでってばぁ……! 顔に出る……!」
「羽風さん、完全に遊ばれてます!」
「美雪ちゃん、どっちがジョーカーかわかってるんじゃない?」
「あ、羽風さんが手札を引っ込めてリセットしました! 苦し紛れです! 顔を逸らして手札も氷室さんも見ないようにしています! 氷室さんは……ジョーカーを躱したぁー! 第二ブロックを負け抜いたのは、羽風薫──!」
「月永くん……ずっとジョーカー持っててよ」
「いやぁー、ジョーカー戻ってきたときは『終わった』って思ったけど、何とかなるもんだな!」
「……貴方、私に押し付けたでしょ」
「アッ、あれはだって、サイコロがそういう目だっただけだろ⁉ すぐババも移動したんだから怒るなって! お前だって最終的に勝ち抜けたんだから良いじゃん!」
「続いて第三ブロックに参りましょう! 瀬名泉さん、斎宮宗さん、天城一彩さん、朱桜司さんです! 負け抜けるのは誰だー!」
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