3.この世界は未知

私が生まれて早8年
私は8歳になった。

この8年で私は多くの事を知った。まず、この島は南の島と呼ばれる大きな海に囲まれた島である事。またこの世界は、ゴールド・ロジャーと言う海賊王が残した言葉により、大海賊時代となった事。
前世には有り得なかった様なファンタジーな話ばかりで、初めは混乱した。
でも、豪に入っては、郷にしたがえ、だ。慣れって凄い。

あと、この島は少しばかり変わっている。この島は、別名 占い島と呼ばれており占い業が盛んだ。明日の天気や、今日の運勢、挙句の果てには今夜の晩御飯までも占いで決める。

母はこの島1番の売れっ子占い師だ。私が生まれてからは、休業していたが私もだんだん大きくなってきた為、今は営業を再開している。
母の占いは100発100中。その上、あの美貌だ。
占いも当たる、顔も良い、人気があって当然なのだろう。

私も、1度だけ仕事場にお弁当を届けに行ったことがあった。
私の前ではおっとりとした母だが、水晶を覗き、何かを見ているのであろう時の母は別人の様だった。



「ナマエ」

「はあい、どうしたの?まま」

晩御飯を食べた後、食べ終わった食器をキッチンで洗っていると母が奥の部屋から私を呼んだ。

「少し、こっちに来て頂戴」

「えぇ〜、あとすこしだから、おさらあらいおわってからじゃだめなの〜?」

「ダメよ〜、今じゃなきゃダメなの、水晶の中が揺れちゃうものぉ〜」

「えぇ〜、もう、しょうがないなあ」

よいしょ。

私は、私の高さに合わせて作ってもらったキッチン用の台からおり、母のいる部屋へと向かう。

開かれたままの扉から母を見つければ、母の目の前には商売道具の水晶が置かれていた。

「どうしたの〜?うらない〜?」

「そうよぉ〜、中を覗いて見て頂戴」

「なか……?」

母の横に座りずいっと水晶に自分の顔を寄せる。水晶に自分の顔が写ったと思ったら、次の瞬間

「うわぁっ!!!」

水晶の中に見えたのは、住み慣れた私の島。そして島の南にある島で1番大きな木に雷が落ちたのだ。
水晶の中が見えた事、また水晶の中で起こったことに驚き大きな声を出して後ろに飛び退いた。

少し呆然とした後、
おそるおそる横にいた母を見ると

「流石、私の娘ねぇ〜!その歳でもう見えちゃうなんてぇ」

嬉しそうに目を細めその形のいい唇を上げていた。
もう何が何だか分からず、さらに呆然としていると、母は呑気に、

「明日は、お外は出ない方がいいわねぇ〜、ママ、久しぶりにナマエと居られて嬉しいわぁ〜」

なんて言ってて、少し頭が痛くなったのは気のせいだ。

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