甘い匂いがほのかに香る。
シャルルはゆっくりと瞼を持ち上げた。昨夜閉めた障子は開いていて窓から部屋へと日が差し込んでいる。
「……」
「お。起きたかい?」
聞き馴染んだ声だ。
シャルルは布団から出て台所へ向かう。狭い家だ。目的の場所にはすぐたどり着く。
「トーマ」
「うん。おはようシャルル」
「おはよう。……」
すんと鼻を鳴らす。甘い匂いの出処はトーマが立っているキッチンだ。フライパンの上にはきつね色になったトーストが乗っている。稲妻ではあまり見ない食べ物。これはモンドで学んだ食べ物だ。シャルルのお気に入りである。
「今日の朝ごはんはフレンチトーストだよ」
「ん。顔洗ってくる」
「うん」
トーマから離れて洗面所に入った。と言っても狭い部屋だ。すぐ後ろの扉を開けば浴室兼洗面所である。
蛇口を捻って水を流す。石鹸を泡立てて顔を洗う。水で洗い流して掛けておいたタオルで顔を拭いた。
シャルルの家の鍵はトーマにも渡してある。その鍵を使ってトーマは毎日シャルルの世話を焼きに来る。竈の世話をするトーマをぼんやり眺めていると、「朝ごはん、できたよ」とトーマの方から声をかけられた。
「ん。うん……」
「はは。相変わらず朝に弱いね」
「……」
「ほら、着替えて。洗濯もしてあげるから」
トーマに促されその場から動き服を脱ぐ。
シャルル自身、別に生活能力がないわけではない。掃除洗濯は自分でもできるし、食事もまあ、簡単なものなら作れる。けれどもトーマが毎日のようにきてくれるので、まあいいかと思いながら完全に身の回りの世話を任せているのであった。
「傷、やっぱり残ったね……」
「ん? ……ああ」
部屋着を脱いでパンツ一枚でぼうっとしていた。トーマに言われた通り朝に弱いのだ。眠いというか、あまり思考が働かない。エンジンがかかるのに時間を要するといえばいいか。
トーマに指摘されたのは、先日戦闘狂に穿たれた脇腹のことだ。その戦闘狂ことタルタリヤは貴重な休暇を使って稲妻に来ていたらしく、これ以上はここにいられないとの事で、一昨日ぐらいに名残惜しそうにこの地を去っていった。また手合わせしよう、絶対だよ。と強い語気で言われたものの、シャルルとしては全く乗り気ではない。
なんだかタルタリヤから親しくされたが、シャルルには彼から殺されかけた印象しかない。しかもどこまで本気かわからないがトーマの命を狙っている。やっぱり悪印象だ。
ともかく。傷は塞がっているが痕はしっかり残っている。線は縦に伸びていて、いかにもここをブスリと刺されましたという感じだ。
「痛む?」
「んー、まあ。思いっきり押さえたりしたら痛いかも」
「ちょっと見せて」
そろそろ上着を着ようとしたところにトーマが寄ってきた。腰に手を添えられまじまじと腹を見られる。
「……見るだけで痛そうだ」
「そうでもないって」
強い刺激を与えなければなんともない。
トーマの指先が傷痕を優しくなぞる。そうされると少しくすぐったい。
「……はぁ」
「え?」
「別に。なんでもないよ。ほら、早く服を着なさい。お腹が冷えるぞ」
不自然なため息だった。けれどそれを追求する間もなくトーマが離れていった。
一体なんだろうと気にはなるが、ずっとパンツ一枚の姿でいるわけにもいかないので、トーマにも言われた通り、大人しく服を着た。
「トーマ」
「うん?」
「俺、近いうちにフォンテーヌに帰る」
「え?」
「親が顔見せに来いって」
「ああ。そういうこと……わかった。また日程が決まったら教えてくれよ」
「うん。あ、トーマもさ」
「ん?」
「いつか俺とフォンテーヌに行こう。俺の故郷を見てほしいし、トーマのこと親にも紹介したい」
「…………」
会話が途切れた。
「トーマ?」
「ん。んんっ、いや。なんでもないよ。そうだね、社奉行のこともあるから急には無理だけど、きっと行くよ」
「ん」
トーマはどこか慌てていたがとりあえずの返事を貰えたシャルルは気にしなかった。
いただきますと手を合わせて、トーマが作ってくれたフレンチトーストにかぶりつく。ああやっぱり。
「トーマが作るご飯はおいしい」
「はは、それはよかった」
トーマが嬉しそうに笑う。
そんな彼を見ながらトーマと結婚する相手は幸せ者だなあと、シャルルはぼんやり思うのであった。
☆
滞在予定としては一週間。
長い長い移動を終えて、シャルルは故郷である水の都、フォンテーヌの土地に立っていた。元気そうでなによりと定番のような言葉しか出てこなかったが、久しぶりの両親との再会はシャルルも胸が弾んだ。
旅は楽しいかと聞かれ大きく頷く。それを契機に両親に今まで経験してきた冒険譚を話してみせた。
「それじゃあ、稲妻を拠点にしてるのか」
「うん。トーマっていう子がいるんだ」
トーマのことは手紙で度々書いているので両親はシャルルの口から実際にその名を聞き「ああ」と優しく頬を緩めた。
「随分世話になってるんだってな。今度、連れておいでよ」
「ん」
シャルルもトーマのことを両親に紹介したいし、両親もトーマをもてなしたいようだ。「今度しっかり予定を聞くよ」と続け、話題はまた、トーマのことから冒険譚に戻る。
そうしているうちに夜は更け――。
早いものでフォンテーヌにきてから4日経った。フォンテーヌから稲妻までは距離があるので丸一日は移動に時間をかけるとして、明後日には出発しようと思っている。
今日も今日とて懐かしい故郷を散策する。今回の散策はトーマへのお土産探しも目的の一つだ。お土産は何がいいだろうか。フォンテーヌには綺麗なアクセサリーが多い。トーマはピアスを開けているしピアスでもいいだろうか。いやいや、髪を結わえているし、髪留めも捨て難い。それとも――やっぱりお土産とするには食べ物がいいだろうか。
「恋人へのプレゼント選びかな?」
「…………」
不意に後ろからかかった声にシャルルは頭が真っ白になった。
聞いたことのある声はすぐに印象深い一人の男を想像させた。しかしまさか、彼がここにいるなんてことがあるわけない。いや、あるわけないとは言えないのだけれど、こんな偶然があって欲しくないのだ。
「やあ! シャルル、奇遇だね」
「……」
「そういえば君、故郷はフォンテーヌだったね。帰省中かな?」
ぽんと肩を叩かれ、シャルルはぎこちなくそちらを振り向き、やはり絶望した。
「うわ、酷い顔」
「あんたと会ったことが絶望すぎて…………」
「え。ひどっ」
なんて言ったがタルタリヤはあまり傷ついてなさそうだ。
「ファデュイの執行官ってやっぱり暇なの?」
「君は相変わらず失礼だね。ここにいるのは仕事だよ」
「じゃあこんなところでサボるなよ」
「休憩中! 仕事で来てるって言ったって休憩時間ぐらい好きに過ごしたっていいだろ?」
「……」
本当に仕事でここを訪れていてそんな仕事の休憩時間なのかシャルルには判断できないが、そう言われてしまえば特にこれ以上責められない。
シャルルは小さく息をついてトーマへのお土産選びを再開した。
「それで? 君はさっきから真剣そうだ。やっぱり恋人へのプレゼントを選んでるのかい?」
「……」
シャルルはキュッと眉を寄せる。
まだ飽きずに絡んでくるのか。
「別に。トーマにあげるお土産を選んでるだけだよ」
「へえ。あの青年に? 君と彼って恋人なんだっけ」
「はあ? バカ言うなよ。幼馴染みだよ」
「ふうん?」
タルタリヤから返ってきたのは意味深長な相槌だ。
「お互い随分依存している幼馴染みなんだね」
「……挑発してる?」
「え! 今のは単純な感想だけど、君がその気になってくれるなら俺は大歓迎だよ!」
タルタリヤがパッと目を輝かせた。さあやろう! と両手を広げている様子はなぜか遊んでもらうのを待っている大型犬に見える。
「やらないよ」
お土産はミルクキャンディと赤い花を象ったガラス細工のついた髪留めにした。店主に代金を払い店を後にする。
「傷痕、残ったんだね」
「はぁ」
なぜかタルタリヤはシャルルについてくる。
「ていうか君って、タートルネックなのにワンショルダーの臍出しトップスって、寒いのか暑いのかわからない格好だよね」
「鬱陶しいなぁ〜……」
いつの間にか横に並んだタルタリヤをシャルルはじとりと睨む。と、急にぎゅっと脇腹を掴まれた。それも、傷痕がある方を、わりと強く。
「い゛」
「あはは。まだ痛むんだ」
「え? なに……? やっぱ殺さないとずっとうざいの……?」
シャルルは真顔で呟いた。タルタリヤが「お! やる?!」と嬉しそうにしているがそういう話ではない。シャルルとしては隙を見て始末してやろうと思っているのだ。
「お腹に傷が残ったのに、あんまり気にしないんだね。君」
「……」
「もしかしてキスマークとかも気にしない方?」
「……? は?」
無視するつもりでいたがあまりに突拍子がなさすぎてつい反応してしまった。
「え? なんで急にキスマーク?」
「戦友につけられた体の傷ってわりとそんな感じじゃない?」
「いや全然。ていうかあんたは俺の戦友じゃないし……」
「酷いなぁ。俺はシャルルのこと友人だと思っているのに」
「えっ」
シャルルはさらに困惑した。
「あんたのいう友人って、殺し合いする関係のこと……? それはちょっと認知が歪んでるんじゃないかな……」
「まさか! 俺は強いヤツと戦いたいだけだよ」
「あ。うん……」
シャルルは諦めた。タルタリヤのことを理解しようとするのは無理だ。
このまま実家に帰るとタルタリヤに実家がバレてしまって面倒なことになりかねない。かといってフォンテーヌの中をブラブラするのも疲れてきた。
「ところでシャルル。君は以前元素をすぐに使わなかったけどそれはなぜかな」
ピクリとシャルルは肩を揺らした。
自分が授かった氷元素。タルタリヤが水元素を使ったのを見て不利ではないとわかったからすぐに使っても問題はなかった。――が、どうしても過去の記憶が過ぎるのだ。
「いざこれが使えなかった時のために、なるべく頼らないようにしてる」
「へえ? ……」
なんだか含みがあるような気がしたが、タルタリヤは追求せず。見上げた志だね、なんて軽い調子で笑った。
タルタリヤは相変わらずシャルルに着いてくるつもりだ。どうにかこいつを撒けないだろうかともんもんと考える傍らで、タルタリヤはシャルルに話しかけ続ける。いつ手合わせをしようか。どこでやろうか。明日とかどうかな。君ってまだ実力を隠してるよね。ああ楽しみだな。戦おう。
戦おう。
戦おう。……。
「ん? シャルル?」
シャルルの歩みが止まったのでタルタリヤも立ち止まる。
シャルルは先程買ったミルクキャンディの封を切った。トーマへのお土産だったが、また後で買い直せばいい。
不思議そうに自分を見ているタルタリヤをシャルルはキッと睨めつけた。
「ちょっと、シャ、むぐっ」
「うるさい、しつこい、もうそれで我慢しろ」
タルタリヤの閉まらない口にシャルルは無理やり、ミルクキャンディを3つも詰め込んだ。
タルタリヤは一瞬だけ強ばったが、口に入れられたもののほのかな甘みにすぐ緊張をとく。
「それ、俺が好きなやつ。やるよ公子に」
「……」
シャルルから紙袋を押し付けられた。中にはキャンディの箱が入っている。
3つも飴玉を突っ込まれたのでタルタリヤはしゃべれない。
シャルルの目論見通りだ。
「じゃ。もうついてくるなよ」
ぷんすか。なんて効果音を当てると子供っぽい。けれどそんな効果音が似合いそうな背中を、タルタリヤは静かに見送った。
そのうちにガリと音を立ててキャンディを1つ、口の中で割る。このキャンディが好きなのだという。あの男は。
「……甘いなぁ」
☆
タルタリヤと遭遇した次の日にシャルルはフォンテーヌを後にした。理由は言わずもがな。タルタリヤのあの目は手合わせする気満々だった。このまま滞在して運悪く彼に出会い、タルタリヤに絡まれるのが億劫だからだ。
また帰っておいでと両親に見送られ、遠い帰路をダラダラと進み。
「あ! おかえり、シャルル!」
「トーマ」
稲妻に着き家をめざしているとちょうど離島で活動中だったのかトーマに出くわした。「予定より早かったね」と何気なしに言われ、シャルルはやや表情を曇らせる。
「まあ。ちょっと予想外というか……」
「ん?」
「なんでもない。トーマ、仕事が済んだら家に来てほしい。お土産を渡したい」
「! ああ。わかったよ」
お土産と聞いてトーマが目を輝かせた。
じゃあまたあとでと手を振って、何となくトーマを振り返る。見えたのは彼の後ろ姿。結わえた一束の髪。
リボン結びにしている紐もいいけれど、たまにあれが自分の買った髪飾りになるのを想像すると、シャルルはなんだか気分が良かった。
☆
トーマとシャルルはお互いの鍛錬を目的に手合わせをすることがある。両膝をついたら、起き上がれなくなったら、降参をしたら終わり。そんなルールの元、わりと本気でやり合うのだ。
初めて手合わせをしたのは稲妻で再会してすぐだった。シャルルの方はトーマと出会った時から神の目を持っていたが、トーマが神の目を持ったのは稲妻に向かってから――つまり、シャルルと別れた時までは持っていなかった。だからトーマが神の目を持っていると聞いて興味を持ち、シャルルの方から手合わせをお願いした。
その時のルールも今と変わらず。特別なことはなかった。
シャルルもトーマも負けず嫌いだ。拮抗する戦いにお互い気持ちが昂っていた。
トーマの打撃でシャルルの手から剣が離れる。シャルルがよろめいた。その隙をトーマは見逃さない。槍を振るって決定打を狙う。トーマの勝ちは確定だった。
シャルルは負けず嫌いだった。
氷元素の扱いに慣れていなかったわけではない。強度もそれなりのものを形成した。ただ、咄嗟の判断だったし、シャルルが思っていたよりトーマに力があって、トーマの元素は炎だった。
氷とは熱で溶けるものである。
槍を受け止めようとして思い切り折れた氷剣の切っ刃は勢いよく飛び、鋭い氷の破片はシャルルの喉を裂いた。
呼び鈴を鳴らしても反応がなかったので家には合鍵で入った。フォンテーヌからの帰路で疲れているのだろう。荷解きされた小物がそのあたりに散らばっていて、片付けの途中で力尽きたのがわかる。
「シャルル」
畳に寝転んでいるシャルルの体を揺するが起きる気配はない。トーマはやや悩んで、もう少し寝かせてやろうと、近くにあったタオルケットをシャルルにかけてやった。
乱雑に広がっている衣類をカゴにまとめ少し辺りを片付ける。シャルルが起きたらきっとお腹が空いているだろうから何かつまめるものを作っておこうか。そんなことをぼんやり思っているとシャルルが小さく呻いた。
「ん……」
寝返り。起きてはいないようだ。
トーマはシャルルの様子を眺めていたが、徐に彼に近寄り、彼の前でゆっくり膝を曲げた。
ハイネックを軽く引っ張り下げる。
「君は傷が塞がるのは早いけれど、痕はずっと残るね」
首に残る火傷痕。
シャルルがいつもハイネックを着ている原因。シャルル自身は痕を気にしていないが、この火傷痕はさすがに人目を引くのと、これを見るとトーマが悲しそうにするから隠している。もちろんそれをトーマもわかっている。
初めての手合わせで氷の破片が彼の首を切ったときトーマは血の気が引いた。実際血の気が引いているのはシャルルの方だが、彼はトーマよりも冷静だった。悲鳴をあげて駆け寄ってきたトーマの手を掴み、「焼け!」と。
冷静だったと言ってもトーマよりは冷静だったというだけで、シャルルはシャルルでそれなりに焦っていたのだ。
火傷痕は当時よりもやわらいでいるが、どことなく、まるで片手で首を絞めているかのような皮膚の変色はなくなっていない。
ドクドクと流れる血に焼いた方が早いと判断したのはシャルルだったが、実際に焼いたのはトーマだ。傷はそこまで深くなかったし、圧迫止血で間に合ったかもしれないと、今でも思う。
炎で首を焼かれたシャルルは手合わせでも聞いたことのない絶叫をあげた。
その時の悲鳴も、細い首を握る感触も、脈も、トーマは今も覚えている。
痕を見て胸が痛む。痛むと同時にゾワゾワと胸がざわめくのは彼に傷をつけてからずっとだ。
独占欲を満たす支配感。その火傷痕は、まるで自分が彼につけた首輪のようで。
「……」
トーマはそっと火傷痕を服で隠した。
「……。シャルル、そろそろ起きて」
「う。……ん」
体を揺するとシャルルは呻き、今度は緩慢に瞼を持ち上げた。「トーマ」と掠れた声で呼ばれ、トーマは「おはよう」と返事をする。
「ん、……片付けようと思ってたんだけど、……寝てた?」
「ぐっすりね。移動で疲れてるんだよ、シャルル」
「はぁ。んー……」
シャルルは体を起こしグッと伸びをした。
「そうだ。トーマ」
「うん?」
「お土産」
「お。ありがとう、シャルル」
棚の上に避難させておいた紙袋をシャルルはトーマに渡した。「見てもいい?」と聞いてくるトーマにシャルルは頷く。
青と金の缶と、触り心地のいい白い箱。
「ミルクキャンディは俺の好きなやつ」
「へえ。こっちは、……綺麗な髪留めだ」
「うん」
トーマは綺麗なガラス細工を光に透かしてみる。
「その花、赤くて、炎が咲いてるみたいだなって。トーマに似合うと思って買ったんだ。……」
トーマに似合うと思ってずっと見ていたらタルタリヤに絡まれたことを思い出し、自然と眉間にシワがよったが、トーマの方はぼうっとガラス細工を見つめていてシャルルの表情には気がつかなかったようだ。
「……。そうだね、綺麗だ」
「俺が結び直してもいい? それをつけてるトーマがみたい」
「……。ん、いいよ」
「やった」
早速シャルルはトーマに座るように促し、髪留めを受けとり、トーマの背にまわった。結び紐を解いて細工のついたゴムで髪を結び直す。
「どうかな?」
「うん。似合う。俺がトーマにつけた首輪みたいだ」
「!」
トーマは慌ててシャルルを振り向いた。
「冗談だって。それ、たまにつけてくれたら嬉しい」
シャルルは無邪気に笑っていた。
☆
首に残る火傷痕は自分が彼につけた首輪だ。
だから腹部の傷痕は、ひどく、気に入らない。