バン、バン! と発砲される銃を見て、ふと。
「バイト先で銃を使う女の子がいた」
「遊園地の催し物?」
「いや、違った」
「えっ?! ああっ!」
 真琴の操作するキャラクターがダメージを負った。
 真琴は巨大なモンスターから離れ、回復を行う。
 ちらりと窺ったが、水希は相変わらずしれっとした顔をしていた。
「本物?」
「死にはしないみたいだけど」
「へえ……」
 真琴はため息をついた。
 いくら衝撃的な話でも横の水希があまりに淡泊なので、あんまり大きく驚くことができない。
 物騒なものを扱う従業員がいるんだなあとしみじみそう思って……。
「いや待って?! それだいぶ危ないだろ!」
「よしっ」
 WIN! の3つ文字が画面に流れた。真琴が回復している間に最後の一撃を水希が決めてしまったようだ。
 水希はコントローラを膝の上に置いて、やっと真琴を見た。
 真琴は随分慌てていた。
 水希の表情があきれを作る。
 もう一つ、あのふざけたポメラニアンの話もしたかったのだが、彼の驚き様から考えるにややこしくなりそうだ。話さないでおこう。
「まあ、大丈夫だと思うよ」
「銃を使う人がいるって、そんな、大丈夫じゃないって!」
「俺、風呂入ってくる」
 水希はのそりと立ち上がった。慌てる真琴が面倒なようだ。
「あ、そういえば俺プールの担当になったから」
「えっ?」
「もう少ししたら遊びに来てよ。そうだな……とりあえず俺が慣れたぐらいに。あと3,4日してから」
 水希は思い出したように真琴に告げると、何も返事を待たず、さっさと出て行ってしまった。
 前々からそうだが、水希は自分の言いたいことだけ言って、人の言葉を聞かないことが多い。
 真琴はしまったドアを呆然と見つめた。結局、真琴は自分が何を言いたかったのかわからなくなった。
 水希のバイト先の環境への不安。
 水希にバイト先に誘われたことへの驚き。
 真琴はゆっくりテレビを見た。
 リザルト画面が表示されていただけだった。