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それから私達は目的地に向かいながら他愛ない話をしていた
炭治郎からは「毎日一緒だと大変だろう?」と心配された
否定ができず乾いた笑いを漏らせば後ろにいる彼は「否定してよ!」と言われるがそういう所だよ?と思う。
そうもしている内に森の中にある屋敷近くに辿り着いた
炭治郎は血の匂いがすると言い、善逸は「音がする」と話している
そんな力がない私は周りを見渡していれば小さな子供が2人いた
何かに怯えているような表情
私は善逸からスズメを借り、少し近付けば
『見ててね?』
とだけ言い、スズメの目の前で手をくるりと回せばそれに合わせて回転をしてくれた
『じゃーん。雀の一発芸!すごいでしょう?』と言えば安心ししたのか座り込んでしまった
話を聞けばお兄ちゃんが屋敷の中に引きずり込まれたと話していた
そして、中からは誰一人として帰って来ていない
これは間違いなく鬼のせいである
私と炭治郎は目を合わせると頷き、屋敷の中へと足を踏み入れようとした
「ま、待ってくれよお、本当に行くのか?!」
『当たり前でしょう?任務なんだから、早くしないと救える命も救えない』
「うぅっ……」
言い方がきつかったのか眉を八の字にして俯く彼
炭治郎は「この箱は何かあったら君たちを守ってくれるから」も言い、木箱を置いた
何が入っているんだろう……?
と思ったが今はそれより鬼退治だ。
屋敷の中へと進めば薄暗く、まるでお化け屋敷のようだ
相変わらず善逸は「2人とも俺の事守ってくれるよな?!頼むよおお。死んじゃうよお」と情けなく泣いている
ただ炭治郎は話によると前の闘いで骨を折っているらしい。
そうなると必然的にまともに闘えるのは私だけだ
背中がヒヤリと冷えた
すると後ろから先程の子どもが追いかけてきた
「あの箱の中から変な音して、怖くなったから……」
と。
「そんな……置いてこられたら悲しいぞ、あれは俺の命より大切なものなのに」
その言葉に謝る子どもだが来てしまった以上今から引き返す訳もなく、さらに進もうとすれば突然の屋敷を襲う大きな揺れ
驚いた善逸は思わず前のめりに屈んでしまい、当たった炭治郎と女の子が隣の部屋によろけた
その時だった。襖が閉まり、鳴り響く鼓の音。
もしかして……!
急いで襖を開けるもそこに2人はいなかった
「き、消えた?」
『あの音が鳴ると別の部屋に飛ばされるみたい……』
「ど、どうしよう、妹が……」
『妹さんの方には炭治郎がいるから大丈夫だと思う』
安心させるかのようにそう伝えるが不安が隠せていなかった
「なまえちゃん……!!俺を守ってね!!!絶対守ってね!!!!じゃないと俺死んじゃう!!」
「男の人が女性に守って欲しいだなんて恥ずかしくないんですか?それでも本当に男ですか?!」
『え……』
善逸が私に助けを請うていればそれを見た子どもからの言葉に流していた涙も止まる善逸と驚きを隠せない私
「男の人なら俺が守るって言うくらいの心意気見せたらどうですか?!」
「んぐっ!」
真っ当な意見に押し黙る善逸
そんな話をしていればまた聞こえる鼓の音。
そして傾く部屋
私は急な揺れに対処出来ず、そのまま傾く方へと身体を持って行かれた。
「なまえちゃん……!」
『ぜんい……っ!』
私の体が襖をくぐったと同時に響く鼓の音
襖の向こうに2人の姿はなかった
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