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『はぁっ!』
先程から何度も同じことの繰り返しをしている
隊員に繋がれた糸を切っていく。
ただ1人に繋げられた糸を切ればまた他の隊員に繋がれる。
これではキリがない……
だけどここにいる人を助けると決めたのは自分なのだから何とかしないと……
そう思い、もう一度刀を握れば後ろから鬼の気配
振り返ればそこにいたのは白装束を身に纏った白髪の端正な顔立ちの少女だ
「お姉ちゃんだぁれ?」
『あなたは鬼なの?』
「お姉ちゃんひどいなあ、私の質問に答えてよ」
ケラケラと笑いながら話す少女は10歳くらいだろうか
『私の質問に答えて』
「いいよお、私は優しいから答えてあげる。そう、私は鬼よ」
『あなたがこの人たちを糸で繋いでいたの?』
「もう質問が多いなあ、その糸は私じゃない、お母さんよ」
『ど、どういうこと?』
「そのままの意味よ、私には家族がたくさんいるの」
鬼に家族がいるなんて聞いたことがない……
ただそんなこと気にしている場合じゃない
目の前の鬼を早く倒してこの人たちを糸で操っている鬼を探さないと……!
カチャリと刀が音を立てる
「なぁに?やる気?」
『そうね、私はあなたを倒して仲間を助ける』
「ふふっ、いいよお。でもそんな簡単に私は倒されないわ」
うっとりとした表情で話す少女は口元は笑っているが目は笑っていない。狂気的な目をしている。
ぐっと刀を構え、息を吸い込み意識を整える
『氷の呼吸……肆ノ型――氷柱針!!』
言葉と共に現れる大量の鋭利な氷柱
鬼に向かい降り注ぐが全て避けられてしまう。
「遅いねえ、そんなんじゃ私は倒せない」
後ろを振り返ればすぐ側に鬼がいた
咄嗟に避けようとすれば腕を掠める1本の糸は肉を簡単に裂いた
『……っっ!』
痛みに顔を歪めていれば目の前の少女はうっとりした表情で話し出す
「もっと!もっと血を見せて!!!あなたの血は良い香りがする。すぐ倒すことだってできるけどそれじゃ勿体無いわ、ゆっくりゆっくりと嬲り殺したいの。」
『わ、たしは負けない……!』
傷む腕を抑え、再び刀を握る
先程いた隊員はまとめて逃げてもらったからここに残っているのは私とその鬼だけだ。思う存分戦える。
「その目、最高ね。もっと虐めたくなる」
『あまり余裕ぶっていれば痛い目合うわよ』
挑発しようが相手は楽しんでいるのか不気味な笑みを浮かべていた
刀を構え、再び呼吸を整える
『氷の呼吸……壱ノ型――繁吹き氷!』
波のように現れた氷は相手の動きを封じ込める
それを狙い近付こうとするが氷は糸によって裁断されてしまい、頸に届かずに終わる。
「あなたの力ってこんなもんなのぉ?もっともっと攻めてくれた方が楽しいのに……あなたが来ないのなら私から行くわ」
そう言った途端、鬼は一瞬で姿を消し、気が付けば目の前にいた
ヤバい……!!!
そう思い避ければ、地面が糸によってヒビが入る。
残念。当たってたら致命傷だったのに……
鬼は手に持った糸をつまらなそうに弄っていた
本気で考えないとまずい……
頬を伝う血を見てそう確信した。
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