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それからも鬼が出てくる度に倒してを繰り返し、何とか7日間目に突入することはできた
できたが、

「本当にごめんね、俺のせいだ……」

『っ……大丈夫だから……』
力なく笑いかけるが正直かなり痛い
6日目の夜更けに油断したのがいけなかった
出てきた多数の鬼を1匹倒しきれず攻撃を受けてしまったのだ
切り傷や刺し傷ではないものの間違いなくこれは骨が折れている。
よりにもよって何で腕なんだ。刀がこれでは振ることができない
焦りと不安が私を襲った
彼は横で申し訳なさそうに顔を俯かせ涙を目に溜めていた

『もし、鬼が出てきたら善逸くんだけでも逃げてね』
今は7日目でもうすぐ日が落ちる頃。
上手く行けば彼だけでも助けることは出来るかもしれない

「そ、そんなことできないよ!」

『おじいちゃんに恩返しがしたいんでしょう?』
そうだ、私と彼はおじいちゃんへの恩返しの為にここまで頑張ってきた
なのに2人とも死んでしまったらその思いは誰も受け継ぐことが出来ないのだ
だから、

『お願い、』
必死にそう呟けば目に溜めていた涙はポロポロと零れ落ち始めた
唇を噛み、必死に何かを伝えたい様子
そして、間もなくして日が落ち、鬼の活動時間になったのだ

「ぎゃあああああ!!」
突然、森の中から聞こえた叫び声

『な、なに……?』

「何……この音……に、逃げなきゃ!」
そう言い、彼は私を持ち上げ、逃げようとしたがそれは目の前に現れた者によって阻まれた

『っ!!』
どういうこと……?
何で……

『何でこんな所に大型の異形がいるの……?』

そう、目の前に姿を現したのは大型の鬼だ
そして、目の前にいた人は既に食べられていた
こんなのから逃げられる気がしない………
でも、横をちらりと見れば今にも倒れそうな彼がいた

『善逸くん逃げて……!』

「でも……!」

『私たちじゃ適うわけがない!だからお願い……!』
鬼はこちらに目を向け、既に近付いてきていた
手が伸びてき、攻撃が仕掛けられそうになった既のところで彼が私を助けてくれたがいつまでもこのままでは埒が明かないのだ
すると鬼はこちらに目を向け話し始めた

「この匂い、稀血だろお?そして、その羽織りの柄は桑島のとこの弟子だな?」

『どうして、おじいちゃんの名前を……!』

「アイツが俺をここに閉じ込めた張本人だからなあ、桑島の弟子は俺が全員食ってやった!そしてお前達もだ!」

「今から食える奴が稀血だなんて俺は恵まれてる」
気味の悪い笑みを浮かべ話す鬼は恨みに満ちている
早く、善逸くんだけでも逃がさないと思い、振り返れば何と顔面蒼白で倒れていた

『善逸くん!!起きて!!!』

なんでこんな時に……!!
そう思い、前を見れば今にも攻撃を仕掛けてこようとしていた
こうなったら私が……
痛む腕を耐え、刀に手をかけた時だった
目の前に立つ1人の剣士

『ぜ……んいつくん?』

「なまえちゃんは俺が守る……」
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