8
少しすれば試験の前にいた2人の女の子が再び姿を現した
「おめでとうございます」
「ご無事で何よりです」
挨拶から始まり、これからのことの説明を受けた
日輪刀で使う玉鋼を選ぶこと、隊服について、そして鎹鴉は主に連絡手段であること
横をチラリと見れば彼の手には何故か雀が止まっており、彼も思わず「これ雀じゃね?」と言っていた
すると1人の男が白銀色の髪の彼女の頭を鷲掴みにしていた
痛む腕を抑え、止めに入ろうとすれば赤髪の男の子が止めに入っている
その男の子のおかげでこの場は落ち着き、玉鋼をそれぞれ選んだ私たちは解散となり、それぞれ各々の場所へと向かった
「あああ、どうしよう!?本当に鬼殺隊になるの?!絶対すぐ死ぬよ?!間違いなく死ぬ!嫌だあ」
帰り道でもこの現実を受け入れることが出来ないのか泣き喚く彼
『善逸くんだったら大丈夫だよ』
そう言っても「何を!どれを!どうなったらそうなるの?!」
と険しい顔で言われるんだからこれ以上は何も言わないことにし、そのまま歩き始めた
後ろからは「うわあああ!置いて行かないで!!!」と必死に追いかけてきていた
1時間ほど歩けば私達の家であり、修行の場所に着いた
おじいちゃんはいつから待っていてくれたのか既に姿が見えた
私達を見つけたおじいちゃんはすぐに駆け寄り、
「よくやった。無事で良かった」と初めて見る涙を零した
――――――
「なまえちゃん、俺が食べさせてあげるよ?」
『大丈夫だよ。こっちの腕は使えるから』
「だけど……」
『気持ちは嬉しいんだけどね、顔は真っ赤だし、手は震えてるし、無理しなくていいんだよ?』
「うへぇあ?!」
もう!それは言わなくていいじゃん!!!
だなんて言う顔も真っ赤である
そう、私は利き手である右腕の骨を折ってしまい、療養中なのだ
そしてこの怪我は自分のせいだから身の回りの事を手伝いたいと言ってくれているのだ
そう、ただ彼はどこまで初心なのかと言うほどに少し手が触れただけで顔を真っ赤に染め上げるのである
今もご飯を食べずらいだろうから食べさせてくれると申し出てくれたが今にも彼は失神してしまうほど緊張している為、断り、先程の話に戻る。
「何かして欲しいことない?あ!そうだ!今度鰻食べに連れてってあげるよ!!後、甘いものとかも!」
必死に色々考えてくれているのは嬉しい
でもね、
『善逸くん、本当に怒ってないし、気にしてないから無理しなくたっていいんだよ?』
気持ちは嬉しいけどね
と付け足して言えば彼は「でも……」だなんて俯いて呟いている
『それに私も善逸くんに助けてもらったんだから』
「だからそれは……!」
そんな話をしていると突然障子が開いた
目を向ければ笠に風鈴をたくさん付けひょっとこのお面をつけた男が立っていた
何だと見ていれば
「刀を持ってきた」と教えてくれた
8/11
prev next△