3
殴られると思い、目を瞑ったがその痛みはいつまでも来なかった。
そっと目を開ければそこにいたのは私の好きな色。
善逸だ。
『ぜ、善逸?』
こちらを一瞬ちらりと見て、すぐに男に目を向けた
「ねえ、俺の彼女に何しようとしたの?」
「あぁ、何だよ?!お前なんて……っ!」
もう1人の男が殴りかかろうとするがその手も空いている手で軽々と抑えてしまう。
そして、そのまま思い切り手に力をいれた
「いた、いだだだだ!!!!」
男の悲鳴が聞こえても手の力を緩めない
「分かった!もう何もしない……!!!俺達が悪かった」
その声が聞こえ、手の力を緩めれば男たちはその場を逃げるように走り去っていった
「大丈夫だった?」
『だ、大丈夫。ありがとう……』
道の外れに引き込まれ、頭を撫でられぎゅうっと抱きしめられば突然、恐怖が襲い、涙が溢れた
『怖かったよお……』
べそべそと泣いている私を優しく抱きしめてくれる彼
何でここが分かったの?とか色々疑問があるがきっと耳の良い彼は私の考えていることなんてお見通しだ
少し落ち着き、彼を見ればまた悲しそうな顔をしていた
『善逸どうしてそんな悲しい顔しているの?』
「なまえちゃん俺といて嫌じゃないの?」
『え、何でそうなるの?!』
「だって、泣き虫だし、鬼目の前にして倒れちゃうし、頼りないでしょ?」
『うーん。それは否定しないけど』
と言えば「やっぱり!」とまた涙を目に溜める善逸
『それでも善逸は私や仲間が困っていたらこうやってすぐに助けに来てくれる優しくてかっこいい人だよ』
ニッコリ微笑み話せば顔を真っ赤にする彼
「だ、だって俺のこと可愛いとかさ!女の子だったらとか……」
『え、あぁ、それは善逸って綺麗な顔立ちしてるし、女の子ならもっとモテてただろうなあって単純に思っただけだよ』
信じれない?って言う彼女の音は嘘の音はしない。
『私にとっての大切な人は善逸しかいないよ。助けてくれた善逸とってもかっこよかった』
「なまえちゃんんん、ごめんねえ、俺、なまえちゃんがどこか行ってしまうんじゃないかって思って酷い態度取っちゃった……」
ビービー泣きながら抱きつく善逸をよしよしと抱きしめる
『本当に泣き虫だね』
「だってなまえちゃんがいない人生なんて考えられないからそばにいて欲しいんだよ。なまえちゃんの為なら俺頑張るからさ、」
ふふっと笑う彼女を見つめてそう言えばキョトンとした顔をして『ありがとう 』とニッコリ微笑んでくれた
彼女には敵わない。
でも、こんなのじゃ悔しいからさ、
「でもね、」
『え?』
唇に残る仄かな温度。
パッと顔を見れば先程の泣いていた彼ではなくて真剣な大人な表情をしている彼が目に映った
肩を引き寄せられ耳元で囁かれる
「あまり俺を妬かせないでよ?」
離れる前に耳に口付けられ、突然のことに顔を真っ赤にして彼を見れば同じく真っ赤な顔をしている
『善逸も真っ赤だ』
「それ言わなくていいからね?!」
そして、私達は屋敷へと向かい歩き始める。