10話


部屋に遊びに来ていたハネクリボーと風が遊んでるのを横目で見ていたらバタバタ!と大きな音がしてドアが空いた。


「え…?」
「え…?」


「十代くん?あの、私に何か用?」
「え、ええええええええ!?」
「えっ!?」


なに、なんなの。ビックリしていたらバサリと頭からかけられた赤い何かに視界が遮られた。

「そ、れ!着とけ!」

「え?え?」

いわれるがままに袖に腕を通し羽織れば、安心したように息をはく十代に?を浮かべていたらなんでもないと言われてしまった。………まだ何も言ってないのに。

多少ダボつく袖を気にしつつも十代に話しかければ目線を泳がして何かを見つけたかの様に一点だけを見つめ声を発した。

「相棒!」
「え?」
「勝手に消えんなよなー探しただろ!」
「…………」

十代に嬉しそうに近づく羽クリボーにあれ?と目を瞬かせる。もしかして、この子は十代の精霊なのだろうか。

「十代くん?」
「あ、悪いななまえ」
「いいんだけど、探しにきたの?」
「ああ、俺の相棒をな!」
「ハネクリボーのことだよねかわいいー」
「…!見えるのか!?」
「う、うん?」


詰め寄られて一歩下がれば「あ、悪い」と頭をかき謝られた。びっくりしただけだから大丈夫だよ、下がった足を戻しまた消えていた風を呼び出す。

「風、出ておいでよ」

[………。]

「お、コイツがなまえの精霊なのか!」

不貞腐れた顔で出てきた風にそんな顔しないの。とたしなめれば複雑そうな顔に変わった。

「俺は遊城十代!」

[…………]

「こら、風」

[爆風小僧の風よろしくしなくていいよ。]

「ああもう風!十代くんごめんね、ほんとはこんなこという子じゃないんだけど…」

「いいって!」

いきなり押し掛けた俺も悪いしな。なんて笑う十代にそんなことない!と全否定する。だって本当に悪いのはこっちなんだもの。

「風、十代くんは友達なんだから…危険な子じゃないよ」

[ふん]

「機嫌悪いな…」
「ごめん、…」「気にすんなって」
「でも…」
「風にもなんか色々あるんだろ?落ち込むなって」


真下を向いていたら撫でられてしまった。外が静かな分私たちの声が響く。いつの間にか羽クリボーと風が隅で話していて、仲がいいなあ、なんてひだまりのなか目を細めた。







は、と気が付いた十代は手が柔らかい髪に触れていることに気が付いた。
え、ちょ…?

ピタリと乗せたまま固まり現状を把握するために動揺する自分を全力で押し留め平然を装う。


な、なんで俺…なまえの髪…撫でてるんだ…っけ…っていうかなまえの部屋に普通に入って…入って…!
かあああああ!と赤くなる顔を隠さず、下を向いているなまえを再び見て安堵する。

無意識やべえ…意識したら俺マジでやばい。俺の上着着ててだぼだぼしてるとことか、スカートとの丈がいっしょになってるとことか、…………ダメだ、俺変態過ぎるだろ…!ぶんぶんと煩悩を振り払うように左右に振り何事もなかったかのように「俺、戻るな、また明日!」と早足に部屋を後にした。

もだもだもだ、部屋に帰ってベッドの上で悶えながら腕を顔に押し当てる。はあ…っ熱っぽい息をはきながら苦しい胸をギュウっと握り瞼を下ろす。


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