11話



今日もデュエルに快勝し気分よくレッド寮に戻ったところで翔に声をかけられた。

「あれアニキ制服は?」
「へ?」
「インナーだけなんて珍しいッスね」

「ああ、今ちょうど洗ってねーんだよな」

「え、予備は?」
「あー…」


うーっと唸る十代に疑問符を頭に浮かべ、向き合うため成り行きで着いた食堂の席の一角に座った。

「何かあったんすか?」
「え、や、なんでもないって」

「大方なまえちゃん絡みってことは検討ついてるけど」

ゲホッゴホッ何も口にしていないハズの十代が盛大に噎せ返り真っ赤な顔否、口元を腕で隠しながら「何言って…」「今更隠しても無駄っすよ」呆れ顔で言われ十代は純粋に頭を捻った。

「アニキはなまえちゃんにぞっこんスもん」
「え」

「ゾッコン!?うああああていうかなんでなまえが…」

ガタンズササッ、と勢いよく下がった十代を気にしつつ問いに答えるべくなまえはここへ来た用事を伝えた

「あの、制服乾いたから返しに来たんだけど…」
「お、おおサンキュー」

「えっアニキ本当に…」
「だあああああ!なにも!ねえ!」


うがー!と慌て翔に掴みかかり口を押さえ込みなまえに大丈夫だ問題ない!と口早に伝えれば困惑しながらもうなずいた。意味は絶対伝わっていない気がする。

「そ、の…なんでも、ないから…」
「はあ…」
「いや、なんでもないっていうか…あああああるにはあるけどややややっぱ…」

「十代くん、落ち着いて…」


いい加減離してくれよ、とうんざり顔の翔を十代はすっかり忘れ吃りっぱなしでこの場をあとにした。

(……結局なんだったんだ?)
(さあ?僕に聞かないでよ)

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