12話



「うわ…なにこれ」
「どうしたの?」

「いや、誰がこんなに部屋荒らしたんだろうね…」
「…………」


風!と両手を挙げて名乗るこのかわいいアホの子。思わず片手を額にあてため息をついた。

「そんなに怒んないでよ、カードには何もしなかったからさ」
「あたりまえ!」



「片付けしなさい、って言っても…出来るわけないことは知ってるよ。」

散らかすことしか出来ないことも知ってるよ。なんでかは全く理解できないけど。あまり怒ることが得意でないので咎めることがほとんどだけど今回は笑えないくらいひどい。風のいった通りカードは1mmも動いていないが他が大災害があったようだ。


「なまえー、いるー?」
「わあああ!今開けちゃだめええええ!」
「え?」

コンコンと戸を叩き僅かに開いたところで制止をかける。駄目、絶対。急いで片付けをしなければならない。

良かった、明日香ちゃんで。静かに待ってくれてる彼女に声をかけようとしたときその扉は開いた。

「なあなまえ、」

「ちょっと…十代!」

「へ?」

「あ…」

「…え、えーっと…」


思わず頭を抱え込んだ。
これは酷い、それならば明日香だけでも事情を話せば良かったと片隅で嘆く。
「これはまた…」
「なんか台風が通ったあとみたいだな」
「あ、うん…そうなんだよ…台風が私の部屋で暴れてさ…起きたらこんな状態で…」

間違ってない。間違ってはない。台風≠爆風小僧なだけだ。苦笑いしていれば、明日香ちゃんが片付け手伝うわ。と申し出てくれた。

「明日香ちゃん…!女神さま!」

「お、俺も手伝うって!」

え、と思わずつまる。この大災害の中には私の服はもちろん女の子の秘密がたくさんだ。

「じゃあ十代はそっちをお願い」

「おう!」

「明日香ちゃ…!」

「任せろって力仕事は男の役目だろ?」


ニッと笑う十代に思わずカアアアアア!と赤面する。まって。そこはタンスでですね!慌て引きとめようとするがまたしても明日香に肩を叩かれる

「明日香ちゃーん……」

「まあまあ」

十代が男見せてるんだから。にっこり笑う明日香に「ばっ!」ばか。と言えない性格故に押し黙るしかなかった。



(なあこれここでいいのか?)

(あ、はい。た、助かります)

(いいっていいって困ったことあればすぐ言えよ?)
(え、だいじょうぶ
(俺がなまえの役に立ちたいんだから)
…ありがとうございます…)


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