8話


明日香ちゃんの案内で購買にやってきた。そこでドローパンなるものを知った。

どうやら自分のドロー運を試すためや1日たったひとつだけの黄金の卵パンを目当てにくる生徒も多いようで昼時の今、大変混雑していた。

のらりくらりと間を掻い潜りためしにひとつ買ってみたなまえだったが一口、二口食べて顔をしかめた。

「か、からい…!」

「あら、キムチパン?」

「明日香ちゃん…そんなものまであるの…?」

「ええ、私は辛いもの苦手なの…その様子じゃあなたもみたいね…」

「辛いのや甘すぎるのはちょっと……」

「辛いもの好きなのは…ああ、丁度よかった。十代!」

しゅん、と肩を落とすなまえに苦笑しながら辺りを見回せば通りすがりの赤い制服。それに声をかければ振り返り手元にはたくさんのドローパン。

「どーしたんだよ、明日香」
「じつは…」

ドローパンを手に持ち、どうしたものか、捨てるには悪いし…と途方に暮れているなまえを指差し、十代は理解したのかひとつ頷いた。

「なまえ!それ貰っていいか?」
「え、っと…でも辛い、よ?」
「俺辛いの好きだぜ」

「でもでも…」

いーから!くれよ!と笑い手を差し出すそれに申し訳なく思いゆっくりとした動作でドローパンを置く。

「代わりになまえに何かパンやるよ、どれがいい?」

「じ、実は、なにがあるのかまだ分かんないんだよね」

「案外普通のもあるわよ?焼きそばとかソーセージとかハンバーグとか」

明日香の言葉にへえ!と目を輝かすなまえにどれがいい?と再び尋ねたら小さいくハンバーグ…っと答えた。

「んー…これかな!」
「えっ封開いてないのにわかるの!?」
「十代は、運だけはいいからね」
「んなことないだろ…」

ガックリ肩を落とす十代に、ありがとうと伝えれば目を瞬きニッと口許をあげて笑った。

(お、おう!なまえもサンキュ!)
(そこで慌ててどうするの十代…)


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明日香ちゃんまじ女神!

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