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 窓から見える景色は数ヶ月と変わらず夜景と星空で煌めいている。数ヶ月前のわたしが見たら驚くであろう。拐われた時とは違い、わたしは自分の意思でこのホテルに来ているのだから。

「マーモンの全財産を注ぎ込んで、彫金師のダルボじいさんに頼んで作ってもらった、新生ヴァリアーリングが届いたわよん!」

 ルッスーリアは部屋に入るなり嬉しそうに箱からリングを取り出した。

「はい。なまえのもね」

「え……?わたし、代理戦争参加しないのに……いいの?」

 センターが盾のような形のリングには、アームの部分にはXの文字と、盾部分にはVARIAの文字が印されている。渡された属性は雲のリングであった。そもそもわたしはヴァリアーの隊員でも無ければ、今回マーモンの為に代理戦争で戦う訳でもない。お金に五月蝿い彼が全財産を注ぎ込んだというからには相当な金額であろうし、受け取っても良いのだろうかと、マーモンを見る。

「未来での事もあるしね」

「マーモン……。ありがとう」

 数ヶ月でこんなにも環境が変わり、大切な人達と共に居れる事、そして周りからも受け入れてもらえる事にわたしは嬉しかった。ここはとても居心地が良い。



 今日から代理戦争が始まる。わたしは今日も彼等の元へと来たが、ホテルにはザンザスさんとマーモンしか居なかった。もしかしたら代理戦争の為にもう出たのであろうか。
 わたしはリングと共に匣兵器も受け取っていた。未来と同じ大空狼と、雲ハクセキレイ。だがこの世界での匣兵器には別の能力も付け加えられているとルッスーリアから聞いた。大空属性や雲属性と多種の炎を操る事が出来るわたしの匣兵器には、ザンザスさんから頂いた二丁の銃と同調することが出来る能力が追加されているらしい。
 わたしは試しに彼等を匣から出してみることにした。

「アンバー、フリージア」

 光と共に二体が姿を表す。この時代で会うのは初めてであった。わたしは彼等の背を撫で、「よろしくね」と言うとフリージアは肩に乗り、アンバーはわたしに体を擦り寄せた。

「フリージア、カンビオ・フォルマ」

 その言葉にフリージアは姿を変え、わたしと銃と同調する。羽が生えた様なデザインはとても繊細で、色も黒から紫色にグラデーションになっていくのも美しかった。
 暫く銃を眺めていると、突然近くのソファに座っていたザンザスさんの腕時計から喧しいアラーム音が鳴った。突然の事に驚き、思わず肩を揺らす。彼は時計に向かって「るせぇ!!」と怒鳴り散らすと、その後すぐ様ソファに寝そべり「めんどくせぇ」と呟いた。

「びっくりした……これが噂の一分前に鳴る知らせ?」

「だろうね」

 マーモンは不安そうにザンザスさんを見つめていた。

「必ず時が来たらマーモンの力になってくれる筈よ」

「そうだと良いんだけど……」
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