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 味気なさ過ぎるのは物足りないかなと思い、卵としらすのお粥を作った。初めて食べると言っていたので口に合うか不安だったが、美味い と言ってから黙々と食べてくれたので安堵した。
 傷の手当をしたからか、ベルさんは先日より柔らかく対応してくれるようになった。彼は案外話すタイプらしく、年齢もわたしと同じだったことが発覚した。この間食べた寿司がお気に入りな事や、飲み物は牛乳が好きなこと、八歳の時にヴァリアーに入隊したことや双子の兄がいたことも。

「もうお兄さんはいらっしゃらないのですか?」

「オレが殺したからね」

「怖くはなかったですか?」

「全然」

 自らの手で家族を殺す。それまでの背景はわたしには分からないが、どんな理由であれ殺したくなる程の事があり、八歳という年齢でそれを決断したのだ。ベルさんは心が強いのだろう。

「わたしは両親や綱吉とは血が繋がっていません。わたしと家族の繋がりは、血の繋がりより薄いのかも知れませんが、家族を殺したくなるような出来事があったとしてもわたしにはその勇気がありません。もしかしたら自分が先に駄目になってしまうと思います。
ベルさんはとても強いんですね。一人で決断したのだから」

 ベルさんは暫く黙ったままだった。

「変な奴」

 嫌味は全く感じられなかった。




「そういえば竹寿司さんのお寿司、わたしも好きなんです」

「ししっ、なまえ分かってるじゃん」

 まさか名前で呼ばれると思わなかったので、驚いたが少しずつ親しくなれている気がして心が暖かくなった。

「敬語?ってやつも止めたら?トクベツに許可してやるよ」

「ふふ、ありがとう」

 それにしてもベルも他の皆さんも日本語が上手だなと、此処に来てからずっと思っていたので彼に聞いてみた。どうやらヴァリアーに入隊する為には7ヶ国語話せることも条件の一つらしい。皆さん強そうで頭が切れる方達だろうとは思っていたが、どうやらエリート集団の様だ。







 変な奴。なまえと話していてベルが抱いた彼女に対する感想だ。

「オレ等の相手は自分の弟と友人達だっていうのに、何とも思わない訳?」

 暫し考える様に黙り込む彼女。

「薄情者だって思われるかも知れないけど、どんな経緯であれ本人達も了承済みの上で成り立っているのでしょう?ここに連れ去られなければわたしは元々部外者であるし、兎や角言うつもりは無いよ」

「オレ等に殺されるかも知れないのに?」

「それは勿論嫌だけど……。お互い何か理由があってその為に戦っているのでしょう?」

 そうだろうか?正直なところ自分達のボス──ザンザスの企てをベルは詳しくは知らない。スクアーロやマーモン辺りなら知っているのかも知れないが、自分は何の為に戦っているのかと聞かれれば、あの時の快感を忘れられず楽しいからとしか答えようが無かった。

「ししっ、どうかな」

「ベルがヴァリアーに所属しているということは、きっとそういうことよ」

 ザンザスさんのこと好きなんでしょう? そういう彼女は少し微笑んで、まるで自分でも気付いていない奥底を見透かしたのように答えた。
 それが何だか少し気に食わなかったが、確かにオレのボスは特別格好良いから好きだ。
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