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 それから数日後、山本くんが何者かに襲われた事を聞きつけ、わたしは病院へと走った。

「容態は?」

「今手術中だ」

 綱吉は待合室の椅子に項垂れる様に座っている。部屋の中はボンゴレファミリーの守護者のみで、しんと静まり返っていた。

「ツナは継承式を行う事にした」

「!」

 リボーンの声にわたしは振り返る。昨日の様子では明らかに断ると思っていたので意外であった。

「敵は必ず継承式に現れる」

「成程」

 その為に綱吉は継承式を行う事を決めたのか。そうとなれば準備をしなくてはならない。わたし達は明日の継承式に備え、その日は家に戻る事となった。



 イタリアを離れてからザンザスさんとは一度会っているが、ヴァリアーの皆と会うのはあの日以来であった。

「う"ぉ"ぉい!!久しぶりでもねぇかあ!カス共!」

 スクアーロさんの声に周りの人は様々な声を上げる。それ程ヴァリアーはマフィア界にとっては名の知れた組織であり、恐れられている存在であった。

「ウチのボスは欠席だぁ!来るわきゃねえ!!」

 ルッスーリアとベルはわたしに一歩近付いた。

「よお、なまえ」

「この間こっちに来てたんでしょ?なんで寄ってくれなかったのよ〜!」

「ごめんね、修行してたらあっという間に時間が経ってて、すぐ帰らなくちゃいけなくて……」

 ちらりと視線を動かし、横を見るとスクアーロさんとディーノさんは山本くんが幻覚だということに気付いてる様子であった。

「何かあった?」

「うん、後で詳しく話すね」

 もう少しで継承式が始まろうとしていた。わたしは気を引き締め、ヴァリアーの皆と共に会場へと入る。



 山本くんを襲ったのも、ギークファミリーを襲ったのも、継承式を襲撃したのもあのシモンファミリーの人達であった。

「やはり、あの子がボス……」

 彼等シモンファミリーが持つシモンリングは、わたし達が未来から帰ってきた地震の際に発見されたリングだと言う。そして属性は大空の対をなす、大地の七属性。継承式で受け渡される“罪”とは初代シモンファミリーのボスの血であり、リングの力を取り戻す為にシモンファミリーはそれを奪った。
 シモンリングの力は圧倒的であった、未来で鍛え抜かれた綱吉を含めた守護者全員が古里炎真の力に平伏す。

「う"ぉ"ぉい!そこまでだ!」

 わたし達も加勢しようとするが、アーデルハイトによって氷で出来た針がわたし達を囲む。

「帰ろう、アーデルハイト。簡単に殺してしまいそうだ。一瞬で殺してしまったらシモンが背負わされたのと同じ苦しみを味わわせられない」

 彼等が踵を返す瞬間、古里炎真と目が合った気がした。あの時と変わらない冷たい瞳がわたしを射抜いた。



 シモンファミリーによって砕けたボンゴレリングは、プリーモの血である“罰”と、綱吉達の覚悟によってその力を増幅させた。
 シモンファミリーのアジトを突き止めたボンゴレは総力をあげてシモンに立ち向かおうとするが、綱吉はそれを止める。

「沢田ぁ!甘っちょろいこと言ってんじゃねえぞぉ!こいつはマフィア間の大戦争だぁ!」

「違う!待っているのは友達なんだ!!」

「静かにしたまえ!!」

 九代目のその言葉に部屋の中は静まり返る。そして九代目が下した命は、シモンファミリーの討伐はボンゴレ十代目である綱吉と、その守護者が請け負うこと。そして、それにはリボーンも同行することであった。
 わたしの隣にいた九代目はボソリと呟いた。

「友達のために戦うと言った彼は、まさしくボンゴレプリーモ」

 わたしはその言葉を聞き咄嗟に九代目の方を振り向く。

「ボンゴレを再び正しく包み込む大空はあの子しかいないんじゃ」

「九代目……」

 明日にはシモンファミリーのアジトである島へと船で向かうらしい。わたしは彼等が無事に戻ってくるように祈った。
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