if NARUTO

(完全なるうろ覚え)


あの日から、私のたった一人の大事な大事な"家族"。君だけが私の居場所なんだ―――


『……もー、いい加減遅刻するよ!早く起きて!』

「んん〜っ、もう少し……」

『それ何回目!?今日の晩飯抜きにするよ!』

「起きたってばよ!!」


なんと現金なヤツだろうか。寝ぼけ眼のまま状態を起こした彼は、私の言う通りすぐ顔を洗いに行く。ついに、この日が来た。ナルトが待ち望んだアカデミーの初日。

正直私はどうでもいい。ナルトが行くから、着いていくだけだ。……人は、苦手。だってめんどくさいし、だるいし、嫌いだし。…我ながら理由がハチャメチャだ。

バタバタと響く騒音に、思考を中断させナルトの分の朝ご飯を準備する。ご飯をついで、味噌汁を注いで、お茶を入れて、お箸を準備して、支度を終え、またバタバタとやってきたナルトにご飯食べちゃってと声をかける。

目を輝かせ勢い良く食べるナルトを見ると、微笑んでしまう。いつも、本当に美味しそうに食べてくれる。…幸せだ。


食べ終わった食器を片付け、私も最後に鏡を確認する。ん、大丈夫、変なとこはない。後ろでニコニコするナルトに私も笑いかけた。


『……行こっか』

「おう!」


眩しいくらいの笑顔を向けたかと思うと、私の腕を掴んで「行ってきます!」そう誰に言うでもなく大きく声を上げた。

それに釣られて、私も小さく行ってきます、と呟いた。…どうでもいいって言ったこと、ちょっと訂正する。ナルトがいるなら、少し、楽しみかもしれない。

……少しだけ、ね。

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