「イブちゃんいる〜?」
「イブラヒムなら今センセーに呼ばれてていないよ〜」
「うわーイブちゃんが私のこと呼んだのに酷すぎる〜」
何か騒がしい人が入ってきたなぁ。
どうやら彼女はヒムの知り合いらしい。
クラスメイトが応対してくれたけどあんな子見たことないんだよなぁ。
いやまあそもそも私が周りに目を配ってないとかあるんだろうけど。
「あ!隣の席の!イブちゃんからよく聞くよ!」
「あえ?…私?」
ぼんやりと考えていたら突然綺麗な赤い、ルビーのような瞳と目が合った。
「そう!多分…ううん、そうだね!」
なんだか自信満々で騒がしい、言うなればエビオのような感じを彷彿とさせる。
独特な雰囲気の子だった。思ってたより大分、そのイメージは鮮烈で奇抜。
「私はフレン!フレン・E・ルスタリオ!よろしく!」
「私は黛立花、よろしくね」
何だかヒムがこの子に振り回される光景が容易に目に浮かんで笑ってしまった。
「かわいー!」
「びゃっ!」
突然ぐいぐいと抱きしめられる。テンション高いな、この子。
…でもついていけなくはない。
「フレンお前…なんでこっちにいるんだよ」
「イブちゃん!私待ってたのにイブちゃんがいなくてさー」
私が抱きしめられているうちにヒムが用事を終わらせたようで教室に帰ってきた。
「つーかフレン、黛が苦しがってるぞ」
「え、うそうそ…わーごめんね!大丈夫?」
「うん大丈夫…死には至らなかったから平気」
「逆に死んでたら大変なことになってるぞ」
なんかヒムとフレン?さんは見ていてとても笑えてくる。
ボケとツッコミがはっきりしていてまるで一つの漫才でもみているみたいだ。
そう見えるくらい、仲がいいんだなぁなんて思った。
二人の世界、とでも言うんだろうか。なんかそういった感覚だ。
「こいつ騒がしいだろ、嫌だったら言えよ」
「うっわイブちゃん酷い!私のこと仲間外れにしようとしてる!」
「違ぇよ!ただ俺は心配してんの!」
「っふふ、ヒムにも友達いたんだねぇ…」
何だか知らない一面を垣間見た気がして笑えてきてしまった。
焦るヒムの姿でも面白おかしく見えてしまうんだから手遅れだろう。
「良かったねイブちゃん、心配してもらえて!」
「お前は何にキレてるんだよ…」
二人は本当に仲良しって感じがする。ずっと近くにいた人特有の気の知れた関係。
それに何故だが刀也と桜華を思い出して、その二人とは正反対だなと思ってまた笑ってしまった。