珍しく妹にそう声をかけられ、妹を見ると歯切れの悪そうに、バツが悪そうな顔をしてうーなんて可愛く唸りながら、「どうしたの」と聞くの
「私と、ショッピングモール行きませんか…」
普段家から出ない俺にそんな誘いを持ちかけてくるのは本当に珍しい。いつもなら、真っ先に声をかけるのは刀也か桜華だろう。
「なんで?何かあったの」
そう聞くと、立花は素直に
「桜華の誕生日もうすぐだから、買いに行きたくて…でも、刀也の予定合わなそうだし、桜華本人と選ぶのも違うじゃない?リリはむぎちゃんと遊んでるから誘えなくて…兄さん外出るの好きじゃないけど、良かったら付き合って欲しいなぁ…なんて」
""桜華の誕生日""そう聞いてカレンダーに目を向けると、春初め何処か不安定な気候を思わせる何処か儚くすぐに消えそうな彼女を思い出した。カレンダーには桜華の誕生日!と立花の文字で書かれていた。
──ああ、もうすぐか。
「ん、いいよ。俺もプレゼント選びに行きたいし」
そう答えた俺に「ありがとう!!」とひまわりのような元気な笑顔を見せてくれた。
軽く準備をして、ショッピングモールに向かう。毎年毎年、無難に使いやすくて彼女に似合う物をあげていたと自分では思っているし、彼女も嬉しそうに笑うから、黛家はみなプレゼント選びについ精を出してしまうのだ。
雑貨屋、服屋、ショッピングモール内を端から端を毎年回って立花は気に入ったひとつを彼女にプレゼントしていた。毎回付き合う刀也が、本当に疲れた顔をしているのも風物詩になってきたが、今年は自分の番だったようだ。
結局、立花はショッピングモールの端のこじんまりとした雑貨屋さんで見かけた、3色のうさぎのぬいぐるみセットを買っていた。ラッピングしてもらっている時に、本当に嬉しそうな顔していて、疲れもどこへやら。帰路へついて嬉しそうにうさぎのぬいぐるみのことを俺に話している立花は本当にあの二人のことが好きなんだなと改めて思った。そんな妹と弟の幼馴染の誕生日前の話。
2020/09/11