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なんか似てるよね、きっかけはそれだった。
「ね、似てんだって私達」
「急じゃね?何がよ」
隣の席のイブラヒム、こいつと私は妙な共通点があるらしい。
定かではない、けれど傍から見たらそう見えるらしい。
「幼馴染がいて、クラスがバラバラで、それでも一緒に登下校してる…あとなんだっけ」
「いやそれ幼馴染だからって理由じゃね?別に俺達が似てるとかじゃなくね」
机をくっつける。あれやれこれやれと言われていくつかの問に答えながら相槌をうつ。
「…似てんじゃないの?詳しくは説明できないけど…類は友を呼ぶって言うじゃん」
誰に似てるって言われたんだっけ。
…ていうか、なんて返したんだっけ。
思わず課題を進めていたペンが止まりそうになるのを慌てて抑える。
最後の一問を解き終えれば丁度良く誰かに呼び止められた。

あんな奴と似てるだって、冗談じゃない。
知り合う前なら絶対そう返していた。
他学年だってあいつの名前を知ってる。
まさしくクラスの人気者、敵に回すと厄介なタイプ。
グループを牛耳ったりしてるんだろうな、なんて勝手に思っていた。
現実はそんなんじゃない、あいつは何も考えてないだけだ。
裏表がないなんていえば簡単だけどただ単純バカなだけ。
善意で人を助けたと思ったら勝手に振り回す。
その癖して人望は厚いし何処にでも引っ張りだこ。
…本当に馬鹿なやつ。…だから。
あんな奴と似てるなんて冗談じゃない。