おはようと声をかけたはずの声は、ワンという犬の鳴き声として出た。どこか低い視線、地面に着く四本の足。あれ…もしかして、私犬になっちゃった…?
声をかけようとした刀也くんは、部屋着で、私はますます混乱してしまった。私は犬で刀也くんは部屋着で…導き出される答えは、刀也くんちのワンちゃんのハルちゃんしか居ない。
私が焦っていると刀也くんは、ハルちゃんを抱き上げて、「お前が僕に近づいてくるなんて珍しいな」と言いながらリビングに向かう。抱き上げられてるため、何も出来ずただ、彼の頬に擦り寄った。
彼は機嫌がいいのか優しく頭を撫でてくれて、リビングで下ろしてくれた。とりあえず、お水を飲んで刀也くんの周りをくるくると回ったり、膝の上に乗ったりと、犬らしく、でも、刀也くんに触れる。ハルちゃんに構ってもらえるのが珍しく、少し嬉しいのかよく頭を撫でてくれた。
次に目を開けると、見慣れたぼんやりとした天井で、先の光景は夢であると認識した。
少し嬉しく、少し恥ずかしい夢だった。
どんな顔で刀也くんに会えば良いのだろうか、それでも、もう一度寝れば続きが見れる気がして、私は深い眠りに再び着くのだった。
2020/09/12