後ろから聞こえたハルの鳴き声。珍しいこともあるようだ。いつもは立花の後をついてまわっては立花と遊んでいるのに。
「お前が僕に近づいてくるなんて珍しいな」
そう言ってハルを抱き上げる。いつもは抱きあげようとすると、嫌がるように逃げるハルが大人しく抱き上げられあまつさえ僕に擦り寄って来ているのだから、本当に珍しい。ハルをリビングに連れていき降ろす。僕がソファに座って漫画を読もうとすると、隣にハルが寄ってくる。大人しく僕に撫でられ気持ちよさそうなハルを見るのは何時ぶりだろうか?可愛らしい。僕が漫画を読み終わるまでずっと傍に居ては、読み終わったら僕の膝の上に乗って、僕を見上げては、離れないと言わんばかりに擦り寄ってくる。
僕はそんな珍しいハルを身体に乗せたまま、ソファで寝転び昼寝をしようと瞼を降ろした。
目を開けると、自分の部屋の簡素な天井で今まで見ていたハルはやはり夢で僕にあんな反応する訳ないよなぁと悲しくなった。やっぱり夢なのかと悲しくなってぼくは拗ねてふて寝をするのだった。
2020/09/13