ごろんと数度寝返りを打つ。
暖かい布団と静かな部屋。
巡回の先生。落ち着かない。
修学旅行中の睡眠はいつも浅くて、眠るのも大変で、少し疲れてしまう。布団は暖かいのに寒い気がして、寂しい気がして、一人な気がして、ぐるぐると余計なことを考えてしまう。時刻はまだ、23時になったばかり。少しくらい部屋の外に出てもいいだろう。
財布とスマホを持って出る。
秋初めのじっとりとした夏を思い出す風に頬を撫でられる。ホテルから見える位置に、こじんまりとした公園があった。そこのブランコに座ってぼーっと星を見る。
「あれ、こんな所で何してるの?」
突然話しかけられて、そちらを向くと同じクラスの葉加瀬さんがいた。
「えっと、眠れなくてちょっと…」
素直にそういうと、「ははーん、枕変わると眠れないタイプの子だな〜!私は、わくわくしすぎて寝れないタイプ!」「明日も、予定いっぱいにまわるもんね…」
2人でブランコに揺られながらそんな話をする。今日のこと、明日楽しみなこと、そんなことを話していたら、「ちょっと、貴方たちもう消灯過ぎてるでしょ。早く部屋に戻りなさい」と鈴鹿先生に注意されてしまった。なんだかおかしくて2人で笑ったのは内緒。「葉加瀬さん、おやすみ」「冬雪でいいよ桜華ちゃん」「んふふ…冬雪ちゃん、また明日」「うん、また明日!」小学生のような別れの挨拶。でも、確かにそれは約束だった
2020/09/18