0時ピッタリ。
目の前にはしてやったりと、笑顔の妹。
ガチャりと玄関のほうの扉が開いて、
刀也くんが入ってきて、
「ガクくん、お誕生日おめでとうございます」
なんて言う。その手にはケーキ屋さんの箱があって、用意がいいなぁなんて思っていると、また扉が開いて、
「ガク〜!誕生日おめでとう!」と笑顔の立花ちゃん。彼女も何か持っていて、多分、俺へのプレゼントかななんて邪推する。
「兄さん、ほらここ座って!刀也くんケーキありがとう!お皿出してくれるかな?立花はここ座ってて!」
ふたりに指示をしてる桜華。
「ついでにフォークとライター用意しておきますよ」と気の利く刀也くん。
「じゃ、ガクは私と話してようか」
なんてのんびりしている立花ちゃん。
「これ、誰の提案すか?桜華が泊まりに来るのも珍しいどころか初めてだし、刀也くんも一緒に泊まりに来るなんてとは思ってたんすけどまさかこういうことだとは」
「提案自体は桜華だよ。ガクの誕生日をお祝いしたかったのと、多分一人暮らしだから桜華が寂しかったのもあると思うけど」
「ふ〜ん?桜華が…いいことを聞いたっすね」
指示された事を終えたのか刀也くんが部屋に入ってきて俺を見て言う。
「ガクくん桜華のことからかわないでくださいね、一番楽しみにしてたの彼女なんですから」
「え〜なに刀也くん嫉妬っすか〜?」
「今日は誕生日だから許しますけど明日覚えておけよ」
「おお〜こわ……」
「ふたりとも何喧嘩してるの?」
準備が出来たらしい桜華が俺と刀也くんの様子を見てそんなことを言う。
「別に喧嘩なんてしてない」
「そうそう俺ら仲良いっすからね」
「そう?ならいいんだけど、みんなこっちの部屋に来て、お祝いするよ?」
「こんな時間にケーキなんて滅多にないからなんかワクワクするね!」
「まぁ、たまにはいいんじゃない?」
「ほら兄さんはここに座って」
手を引かれて椅子に座ってみんなを見る。
みんな俺を見て楽しそうに嬉しそうにしている。ケーキには21という数字のロウソクに火が灯り、刀也くんが部屋の電気を消す。
桜華のせーの、という声で、一斉にバースデーソングが歌われる。
賑やかで幸せな誕生日。
歌の終わりと共に火を吹き消した。
拍手とおめでとうの言葉。食べたケーキは甘かったし、プレゼントも貰った。
わちゃわちゃとした誕生日会は、1時半を回った頃に立花ちゃんが眠くなってソファで寝てしまったことによりお開きになって、刀也くんと桜華が片付けをするからと言うのでお言葉に甘えて寝室で眠りにつくのだった。
朝起きてみると、片付けで疲れたであろう刀也くんと桜華は刀也くんが泊まりに来た時のための布団で仲良く寝ていた。立花ちゃんは、掛けられていた毛布を蹴飛ばしたのかソファの下に落としていた。そんな、誕生日の朝だった。
2020/10/01