思い出と初めまして

放課後、1-1の教室。
立花の隣の席に座って、立花の勉強の進捗を見る。別に頭が悪い訳では無いけど、立花は小さなミスを積み重ねてしまって良く点数を落としてしまう。ケアレスミスは、なかなか直せないものだけど、見直しはしっかりするようにと私は口酸っぱくよく言ってしまっていた。けれども、見直しただけではやはりすぐ治る訳では無い。私も見直しの時は、よく目が滑ってしまうから、立花と同じくたまにミスをしてしまうからあまり人のことは言えない。でも、点数はそれなりなので許されたいところではある。静かな夕暮れの教室で二人で勉強するなんて、久しぶりだなと窓を見ながら思った。
「二人で勉強するなんて、珍しいこともあるもんだよね〜」
どうやら同じことを考えていたらしい。
「うん、立花と勉強するなんて何時ぶりだろうね。高校受験の時以来?」
そうかも、なんて笑う立花
あの頃よりも空気は張り詰めてないが、どこか懐かしさを感じた。
私が、ぼーっと窓を見ている間に、立花は課題を終わらせたらしく先生に出してくるわと言って教室を出ていった。私は立花が帰って来るのを窓を見ながらぼーっとみていた。
ガラガラと開いたドアに目をやり、おかえりと言おうとしたら、そこには立花じゃなくて顔の整った褐色の男の子がいた。男の子は、私の座ってる席を見て「ッスー」と困った顔をしていたから「あ、ごめんね。今どくね」とすぐにどいた。男の子は、「あざす」と控えめに言って机の中からプリントを出して隣の席。つまり、立花の席をみて、「黛の幼馴染さんすか?」と聞いてきた。「うん、立花の幼馴染の社桜華。隣のクラスだよ」と軽く自己紹介をした。「へー、いつも桜華、桜華言うんで苗字知らなかったんすよね」
「立花、あんまり人のこと苗字で呼ばないからね。知らなくて当たり前だよ」と、軽い世間話をしていた。このクラスでの立花の過ごしかたを聞いていつもと余り変わらないんだなぁと思いつつ、彼は結構な世話焼きらしかった。話に夢中になっていると、扉の方から「桜華、帰ろう〜」なんて言う立花の声が聞こえた。「あれ、ヒムじゃん何してんの?なんぱ?」なんて失礼なことを言う。
「彼、ヒムくんって言うの?」と立花に尋ねるとヒムくんは、
「いや、イブラヒムだけど」とノリよく返ってきた。彼、刀也くんと同じでツッコミだ。なんて思ったのはご愛嬌。イブラヒム君にバイバイを言って、立花と共に家への帰路に着くのだった。
他クラスの世話焼きの彼、面白かったな。

2020/09/09