「見て見て、見て!!」
そう言ってカルタちゃんが私に見せてきたのは、先程返された現代文のテスト。
カルタちゃんの名前の横には80と赤で書かれている。なかなかの高得点だ。
「やったね!カルタちゃん!」
と、私も嬉しくなってお祝いする。
「桜華ちゃんが教えてくれたからだよ〜!!」
なんて嬉しいことを言ってくれる。
「でも、カルタちゃんがちゃんと勉強したからだよ?」と伝えると桜華ちゃん…!と感極まって私に抱きついてきた。そんなカルタちゃんの頭を撫でていると、
「え〜!!カルタちゃんだけずるい〜!ひまもひまも!」
「え!?は!?私も撫でてよ!!!!」
「山神は点数高かったから撫でて貰えるんですぅ〜!」
「生物86点の私は撫でてくれるよね?桜華ちゃん?」
なんて言い合っている。
「も〜みんな順番においで?ちなみに、ひまちゃん、今回赤点は…?」
「なんと、ありませーん!!」
自信満々にいうひまちゃん。
「良かった〜!ひまちゃん、おいで!」
カルタちゃんが満足して離れたのでひまちゃんを呼ぶ。
わーいと言いながら無邪気に飛び込んできた。ぎゅーっとして、今度はもっと点数とりたい!と意欲的な様子。ひまちゃんの頭を撫でながら、今度は全部の教科半分目標に一緒に勉強しようねと言うとうん!また教えてねと可愛らしい笑顔の大輪を咲かせていた。
まだかまだかとそわそわしてるえらちゃんと冬雪ちゃん。
ひまちゃんが満足して離れると、ふたりして私をじっと見てくるから笑ってしまった。
「じゃあ、えらちゃんおいで」
「わー!!やった!!!」
「まぁ、絶対撫でてくれるからいいもんね」
ちょっと、冬雪ちゃんが不貞腐れ気味だけど
多分、許してくれるよね。
「ちなみに、えらちゃんは今回家庭科赤点回避した?」
「なんとギリギリしたんですね」
「えら〜い!えらちゃん、普通にテスト点取れてるから家庭科回避だけだもんね」
「そうなんよ。でも、桜華が一緒だったからがんばれたんよ〜!!」
「嬉しい〜えらちゃんが頑張ったからでもあるからね〜」
えらちゃんも満足したようで、私から離れた。
「冬雪ちゃん、おいで」
おずおずと私の背中に腕を回してぎゅーっとしてくる冬雪ちゃん。
背中をとんとんと叩いてあげながら言葉を落とす。
「冬雪ちゃんが理系科目で点数高いのは頑張ってるからって知ってるよ。今回の生物、冬雪ちゃん、自信あったけど目標まで届かなかった感じでしょ」
「桜華ちゃんには、バレてた?今回のテスト、90点は取れそうな問題だったのに、小さいミス重ねちゃって、結構落としちゃった。結構、悔しい…」
「うん、冬雪ちゃん、生物いつも力いれてたから…私は理系科目取ってないから応援しか出来ないけど、頑張ってるのは知ってるからね。今度、クレープ食べに行こっ!予定あけておいてね?」
冬雪ちゃんの頭をわしゃわしゃっとちょっと雑に撫でる。
髪の毛がぐちゃぐちゃになる〜〜なんて言っていた。ちなみにその後ちゃんと髪の毛を結び直してあげたし、約束もちゃんとした。
帰りは立花がおらず、刀也くんとふたりで帰ることになっていた。キンレンカさんと遊ぶんだ〜と楽しそうに言っていた。
刀也くんに
「テストどうだった?」と聞くと、
「まぁ、いつも通り」だと言う。
そっか、と言うとおもむろに、教科名と自分の点数であろう数字をあげ始めた。
現代文、古典、数学、と点数。やはりどれもそれなりに高い。
「やっぱり、刀也くんには勝てないなぁ」
なんて言うと、
「僕は、国語と現代社会は絶対に勝てないけどな」
「んふふ、国語と現代社会は割と、一位目指してるからね。刀也くんにも負けないよ?」
「今回何位だったんだよ」
「国語は4位で、現代社会は2位惜しかった」
「いつもよくそんなに取れるよな…」
「学年上位者が何を言ってるんです…」
「まぁ、勉強してれば取れるだろ」
「そうだけどね、刀也くんのばか…」
「はいはい。で、僕のことは撫でてくれないんですか。こんなに高得点取ってるんですけど」
「見てた?」
「見てたも何も教室同じだからな」
「それもそうなんだけど、そんなに撫でて欲しいものかなぁ…」
「僕が撫でろって言ったら撫でればいいんだよ」
「横暴だなぁ…」
ん、と差し出される頭を腹いせにわしゃわしゃと撫でる。刀也くんの方が当たり前だけど、背が高いから自分の目線に顔があるのは不思議な気持ちだ。わしゃわしゃっと、乱した髪を適当に整える。
雑だなぁ!なんて言いながらも嫌な素振りは見せない。
「満足した?ほら、もうすぐお家つくよ」
「んー、まだ足りないからうち寄って」
「テスト直し、付き合ってね」
「それくらい明日にすればいいのに。まぁ、いいですよ」
落ちゆく日と共に影は薄れて私たちは帰り道を辿るのだった。