ゆらゆらと揺さぶられて、重たい瞼を開けると、桜華がいて、そういえば、ご飯食べた後に炬燵に入ったまま寝てたみたいだった。
「立花、そろそろ年明けるよ」
桜華の優しい声で、また、微睡みの縁に誘われそうになる。そんな私を見かねたのか、刀也の声が聞こえて、
「立花、寝るなら部屋戻れよ。風邪引くぞ」
ひとりだけ、部屋で年を越すのは嫌だ。
「やだ、いかない」
「じゃあ、寝んなよ絶対」
「うっさい、寝ないよ」
「まぁまぁ、ふたりとも落ち着いてね。立花、みかん食べる?」
私たちを宥めつつ、剥いたみかんの実を食べるか聞いてくる桜華。んあ、っと、口を開けると、しょうがないなぁ、なんて言いながら私の口にみかんを入れてくれる。
刀也は、みかんくらい自分で食えよなんて嫉妬しているようだった。ざまぁーみろ。
桜華テレビを見ながら黙々とみかんを食べ進めている。刀也の何か言いたげな視線に居心地を悪くしたのか刀也の方を見た。
「刀也くんもみかん、たべる?」と桜華が思いついたであろう疑問を投げた。
当の刀也は、ん、と言って動かない。
桜華は皮のついたままのみかんを刀也に渡していた。ざまぁ。
そのまま、刀也は膨れながら自分でみかんを剥いて食べていた。
「あ、ふたりとももうすぐ年明けるって」
テレビを黙って見ていた桜華がそう言った。
結局、始まりも終わりもこのさんにんで今年も来年もきっと過ごすことになりそうだ。
さようなら、最後の日。
ゆらゆらと揺さぶられて、重たい瞼を開けると、刀也くんがいた。回らない頭で、周りを見ると隣では立花が寝ていた。時計はまだ、22時で年明けまでまだ時間があった。
「んー、とやくん、どうしたの…?」
まだふわふわした頭で声をかける。
「アイス買ってきたから、立花が起きないうちに内緒で食べませんかっていう」
刀也くんにしては珍しい。
「おかね、どうすればい?」
「僕の奢りだよ。起きないうちに食べるぞ」
私にバニラチョコチップを渡して、刀也くんはバニラにしていた。
刀也くん、こっちじゃなくていいの?と聞くと、
不思議そうな顔をして、お前が好きなやつだろ?なんて。ありがたくいただきます。なんて言うと、じゃあ、ひと口だけ、ほしいなんて。まだ、ひとくちも食べてないアイスをすくって、刀也くんの口元に運ぶ。
「ん、やっぱり、こっちも美味いな」
「だよねぇ。まぁ、アイスは全部美味しいけどねぇ」
なんてのんびり会話をして、アイスを食べ進める。炬燵で食べるアイスは最高だ、なんて誰かが言っていたけど本当にその通りだと思う。ふわふわしていた頭は、徐々に醒めてきて、あぁ、そういえば、さっきの関節キスだ、なんて思ってひとりドキドキしたのは、今年最後の秘密。