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「アールス!ご飯食べよう!」
「ボクもいいの…?」
「うん、アルスは予定ある?」
「ない…よ」
「そっかぁ!じゃあ一緒にお昼じゃん!」

立花ちゃんは、キラキラしてる。
こんなボクにも声をかけてくれて、ご飯に誘ってくれる。
小学校の頃、同じクラスで仲良くなった立花ちゃん。
中学は離れちゃったから忘れられちゃったかと思ってたのに。

『アルス!アルスだよね…?覚えてる?私黛立花、小学校同じクラスだった…』

覚えてるよ!そう言いたかったけどボクは控えめに頷くことしか出来なかった。
それでも立花ちゃんは良かった!って笑ってくれた。
中学の頃に色々あったボクを責めることなく受け入れてくれた。

『昔は昔、今は今、それでいいじゃん。無理に考えてたら熱が出ちゃうよ』

後でお兄さん…刀也くんに聞いた話だけど立花ちゃんは根を詰めて考えすぎると知恵熱が出てしまうらしい。
それを聞いてやっぱり立花ちゃんらしいやなんて何故かホッとした。

「アルス〜買ってきたよー!」
「こんにちは、あった事ありますよね僕達…いやまあ僕はないんですけど」
「ッス…」

なんか個性的。それでも嫌な感じはしない。
中学の、あの頃に感じた苦しさはもうない。

『アルスが自分の意思で一歩踏み出したからだよ、よく頑張ったね』

ボクにとっての太陽。立花ちゃんは今日も楽しそうに笑っている。

つられてボクも笑って、みんなも笑った。
ご飯を食べて、話をして、久しぶりにありのままでいられた。

ボクの、太陽(しんゆう)。