謀略系クズの本丸乗っ取り
(乗っ取り/引き継ぎ/notざまぁ)

見習いが、研修のためにとある本丸に訪れるところから始まる。
研修先本丸、あまり雰囲気がよくない。ブラック、まではいかないまでも刀剣達を酷使している様子である。かつ、出陣指示だけ出して審神者業務はまともにこなしていない。見習いの研修も、指導一つくれやしない。勝手にやっとけ、という態度。
それでも真面目に学べることを吸収しようとする見習い。近侍経験の長い審神者の初期刀が、審神者に代わって指導資料を作ってくれていた。肝心の審神者がいないからといって、刀剣達が代わる代わる指導してくれる。ありがたいなあ。刀剣達も、頑張る見習いを可愛がっている感じ。

(この子はいい審神者になるだろう、我らが主と違って)

どうしてこんな真面目で人当たりもいい子が、このような本丸に回されてしまったのか。審神者の教育校でも成績も良かったことだろうのに。言ってはなんだが、自分達の本丸の運営状況はあまり優良ではない。刀剣の揃いだけが良点か。見習いが来るに相応しくない、と刀剣達。
見習いは、その教育校で残した成績が、お偉い様のご子息の顰蹙を買ってしまったようであることを話す。
けれども、この本丸で良かったと思っている。貴方達に会えてよかったと、感謝の念を伝える見習い。
見習いを慕ったり応援しだす刀剣達。
審神者はイライラ。見習いに当たるように。

ふと、御神刀達が見習いに呪いがかかっていることに気付く。魂レベルの、実に巧妙に仕掛けられた呪い。お偉い様のご子息の顰蹙を買ったというし、そこでもらってきた呪いの線が有効。

「私を信じて君の真名を預けてくれたなら、私がその呪いを断つこともできたのだけれどね」

戸惑い、困った顔をする見習い。「そこは断らなければいけないよ」と見習いの頭を撫で、柔らかな笑みをたたえつつも窘める石切丸。ぱぱー!

このあとなんやかんやで刀剣が見習い庇ったり味方についたりして、見習いが本丸引き継ぎする。


(ネタばらし)
・謀略系クズ見習い
神様に嘘はつけないからと、自分は真面目人間だって内容の、魂レベルの暗示(呪い)をかけて研修にやってきた。
イメージとしてはデスノの綺麗な月(暗示中)と記憶を戻した「計画通り」月(普段)。
乗っ取り対象の本丸も、事前にやや黒であったり、審神者の人格に問題ありそうだったりと、刀剣達が見習い側について謀反を起こす可能性の高い本丸を見極め、研修先に選んでいる。

乗っ取れなかったら引き下がる&研修で合格を貰えない、ということをしているので、見習い研修はこれが四回目だったりする。
刀剣達は、初めてのはずなのに実技を上手に熟す見習いに、器用なのだなあと思っていた。実際は何度か触れたことがあった。でも今まで行った研修先で一番刀剣が親切&まともに研修できたのはこの本丸。

見習いが顰蹙を買ったという『お偉いさんの息子』は見習いの悪友。
悪友「頭の回る性根悪いやつって性質も悪いよな」
クズ「それな」
お互いブーメランを投げ合って突き刺さって痛み分けに笑い合ってるような仲。

はー、最初から刀剣揃ってしかも拡張済んでる本丸とか運営楽ですわー。乗っ取りきれなくても数人連れていけたら幸せ〜*くらいのノリやったんですがねえ。とかなんとか。
実利主義に賢く生きてる。最終的に笑顔が一番だよね(ゲス顔)みたいな人間。


ちなみにこの後、石切丸の呪いカッティングで暗示(呪い)が解けて即、刀剣達を集め、自ら潔く本性暴露。誤解されてるのが気持ち悪かったし、欺いている状況続行は後々自分の不利益になると判断した。
ちょっと喧嘩や暴動にはなったが、その後の運営に変わりはなく、むしろ前より気安く仲良くなったらしい。
刀剣達には「あんまり悪いことしすぎないでくださいね」とか「悪いものは切っちゃおうか」とか言われる。ちょっと悪いことがし辛くなった。
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