コナンも新一もいるんだよ!
(毛利のおっちゃん成代)


原作知識あり、自分が毛利小五郎に生まれ変わり成り代わってしまったことに気付いた主人公。

蘭ちゃんに遊園地行きの日付をズラさせて、自分が眠りの小五郎になるルートを避けようとしたけれど、

予定調和の如く、コナンが蘭ちゃんに連れられ、探偵事務所に転がり込んできた。


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「この子、博士の遠い親戚の子で、江戸川コナン君」

「ここはガキの来るところじゃねーぞ」


いや本当、帰ってお願い。

トロピカルランドに行く前に、新一には騎士を務めるが如くしっかり蘭について帰りも事務所まで送り届けろと言い含めていたのだ。実際、彼は遊園地内で蘭と別行動をとるようなことはなかったらしい。蘭と共に帰ってきた彼の姿は、この目でしっかりと確認している。


子供化は防げなかったか……と、思っていたら、訪問者を知らせるチャイムの音。事務所の前に立っていたのは新一だった。なるほど、工藤新一は無事らしい。……あれれ?
もしかしてこのコナン君、新一じゃないのかな? とコナンを見れば、彼の方も驚いている。途切れ途切れながら聞こえた言葉は「そんなまさか、あるはずがない」「偽物」……うん? 高校生姿の方が実は新一じゃないの? キッド登場には早くない?
蘭ちゃんは、新一(?)といつものやり取りを繰り広げている。それを見ている限り、偽物には思えないけどなあ。

……昔読んだコナン推理板に、実はコナンは“工藤新一の身体が縮んだ存在”ではなく、“工藤新一の記憶を植え付けられただけの子供”なのではないかって説が書かれていたことを思い出してしまった。


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コナンは確かに工藤新一の幼少期には似ているが、人間が縮むわけがないのも確かだった。実際、工藤新一は子供なんかにならず、高校生として存在している。


じゃあ、これ(コナン)は誰ってなる。


コナン側にしてみれば、自分こそが工藤新一で、高校生の新一は偽新一だと思っている。居場所を奪われた気分。


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どういうことなのか物凄くコナンに訊きたいけれど、「毛利小五郎」がコナン=新一の事実を知りようはずもない。万が一、例の組織の関係者だと勘違いされてはたまらんので、ここは我慢だ。

ただ、側にはいて見ておこうと思う。幸い、コナンの方も蘭や新一の動向が気になるらしく、探偵事務所に厄介になるつもりのようだった。……これでこいつが死神でさえなければなあ、俺も何とも思わんのだが。


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コナン、新聞で過去の事件を調べるうちに、黒の組織の取引現場を見た日の出来事概要が幾らか異なっていたことに気付く。

工藤新一は例のジェットコースターの事件の謎を解き明かしてはいたが、ジェットコースターには乗っていなかったようなのだ。


「ねえねえおじさん! この日って、新一兄ちゃんは一日どうしてたの?」

「アァン? 知らねえよンなこと。直接あの探偵ボウズに訊きゃあいい話じゃねーか」

「ええ*……」


あの新一が組織関係者だったら、新一のこと詮索しているのがバレるのまずいなってことでコナンは聞き辛いらしい。

渋い顔しつつ、主人公が新一に訊いて、それをコナンに伝えた。主人公自身、新一の話に「え? マジで?」となるような部分があって、コナンには心の内でだけファインプレー出した。


曰く、その日の新一は、例のジェットコースターの事件を、知り合いの警察関係者を通じて聞きつけて、遊園地に訪れたとのこと。到着した時にはすでに、事件当時、ジェットコースターに乗っていたはずの黒服の二人が現場から居なくなっていたが、真犯人を暴きがてらその二人が事件と関わりないことを推理してその場はお開きに。

新聞の記述の違いはこの辺りから生まれたようで、ついでに新一は黒服の二人とは出会っていないようだった。


自分は確かに、蘭と共にトロピカルランドに訪れて、あのジェットコースターに乗ったはずなのに…と悶々考え始めるコナン。


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一方主人公は警察時代の伝手を使って、新一&コナンのDNAと指紋鑑定。言い訳は、探偵事務所の物の配置が変わっていた・空き巣に入られたかもしれん、という内容で。新一の指紋が出ても不自然でない設定で鑑定依頼。コナンと新一の、指の大きさの違いを誤魔化すのが一番大変だった。


鑑定結果はどれもが同一人物、「工藤新一」判定。


なるほどわからん。クローンか何かか? 主人公は探偵事務所を構えてはいるが、推理小説にでてくるような探偵ではなく、素行調査や人探しなど極々一般的な探偵業を営む探偵だったがために、推理を放棄。探偵の真髄は、推理じゃなく探索調査だろ、みたいなスタンス。証拠が残らない犯行なんてないのだ。


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阿笠博士の場合、どちらが本当に新一なのか分からないため、コナンにも新一にも親身。新一には、コナンが新一を自称していることを秘密にしている。


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ある時、ついに事件遭遇。これ絶対一緒にいる死神(コナン)のせいだろ、と頭を抱えたくなる主人公。


眠らされたり気絶させられるのを避けたい一心で、コナンに「お前新一だろ」って話をして、まあ口パクしてやるからその蝶ネクタイ型変声機で推理を…となったところに、現れる工藤新一。

推理を披露しはじめる新一に、負けじと食いつくコナン。毛利のおっちゃんの声で言葉を挟んでいく。

コナンと工藤新一の推理対決、みたいな感じで、毛利のおっちゃんが矢面に立たされる。


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その後は。

コナンと工藤新一がサシで出会って、新一も自分を新一と言い張るコナンを認識する。

どちらも、自分が本当の工藤新一だ、というところを譲らない。そこから、二人は推理を競う仲に。


どちらが本当の工藤新一かの証明が、彼らの中では、推理能力の高さと直結している感じ。(これだから推理バカは困る)


これ、事件を次々解くうちに、世間では、工藤新一vs毛利小五郎の図式が出来ていくんだろうな。

(娘の結婚をかけてとかなんとかの噂がある)


あの工藤夫妻ならどっちの息子も喜々として可愛がりからかいそうだけども。

さくっとDNA鑑定する優作パパ。流石です。


推理対決する仲だけど、協力関係としてタッグ組んだら最強じゃね? と同時に気づく新一&コナン。相手が自分だから話が通じやすくて楽。


コナンが何者かというところだが、並行世界の工藤新一なんじゃないかという優作パパの推理。並行世界の有無に関しては、阿笠博士が証明してくれる。コナンが元の世界に戻るための装置開発にいそしむぞい。


黒の組織はコナンもとい新一を知らないが、新一はコナンが切っ掛けで組織の存在を知ることになる。


コナンと新一で組織を崩しにかかるの楽しそう。





コナンと新一で死神度二倍! 事件も二倍! お得だな!(白目)

ことごとく巻き込まれる毛利探偵主人公かわいそかわいそです。
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