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   * * *

悲鳴、破壊音、また悲鳴。
町に出れば、悲痛な音が混じりあっていた。
以前にも言った通り、この町は観光客で溢れている。
店舗が壊されている場所もあり、大打撃は免れないだろう。

破壊された建物は四軒。
店舗も入れれば、数はもっと行くだろう。
各々の建物の近くには、巨大な体に一つ目の緑とも青ともつかない色をした怪物。
先頭の1体の肩には、その3体の主人らしき人物が立っている。

音「な、なな、何あれっ!?」

音波が悲鳴に近い声を出す。
驚くのも当たり前だ。
あれほど大型の魔物は見たことがない。
あっても人の二倍位だというのに。

冷「…あれは…ギガントロス…?」

龍「冷音、知ってんのか!?」

冷音の驚いたような呟きに、龍斗がすっとんきょうな声で反応を示した。
彼は頷きはしないが、口を開いた。

冷「…図鑑で…読んだことがありました…。けれど、大きくても3m…ここまで大きくなるはずは…。」

3m…だと……?
だがあれは5mを越えている。
…突然変異……?
しかしそれなら新聞やテレビ等で取り上げられていても可笑しくはない。

女?「皆っサーン?"天界の門"と"冥界の鍵"について知ってマースカ?」

いきなり聞こえてきたのは、不快なソプラノボイス。
…寧ろ超音波だ。

女?「さぁー、知らない方は、デッドエーンド!!して貰いマースヨ?」

その不快な声の元。
それはギガントロスの肩に立つ主人らしき人物。

誰かと思えばあの3K女、岡本・ロージーその人だった…。

   * * *

岡「おお!!誰かと思へば時雨ではアーリマセンカ!!ここで出会うなんて、やっぱりワターシ達は運命の赤い糸で繋がってるんデースネ(はぁと)」

小指立ててうっとりすんな。
…くっ…物凄く寒気がしてきた。

雨「キモいから変なこと言うんじゃねぇよ。そして降りてこい!!殴らせろ!!寧ろ切り刻んでやる…!!」

桃「し、時雨くんが物凄く怖いわ…。」

…はっ。
我を失っていたらしい。
でも俺は、常日頃思っていることを……いや流石に切り刻みたくはないな。

狐「オレも同感や!!降りてきて殴られろ!!ハゲチャッピー!!」

狐も同調して叫ぶ。
ハゲチャッピーはあいつのあだ名だ。
由来は知らない。

岡「それは無理な相談デース!!天界の門とやらと冥界の鍵の情報を手に入れなければ。」

…こいつ…ぶった斬ってしまっていいだろうか…。
…ってか、冥界の鍵?
そういえば…ロージーは魔王と繋がってるとか言う噂があったが…。
まさか…。

氷「…冥界の鍵ということは……貴女、魔王と繋がりがあるのかしら?」

あいすが鋭い目付きでロージーを睨み、問う。
それを聞き、ロージーは恍惚な表情を浮かべた。
そして、質問の答えとなる物を口にしだす。

岡「呼び捨てにするなど失礼なヤツデース!!魔王様は素晴らしいお方…!!ワターシ達を栄光へと導いてくれる。」

…相当心酔してるみたいだな。
まさに手遅れとはこの事か。
あんまり相手にしたくないタイプだな。

雪「…栄光?」

小雪はそれを聞いて顔を顰めた。
いや、小雪だけではないかもしれない。
そしてロージーは、それをまるで見えていないように流し、続けた。

岡「そうデース!!魔王様はワタシ達人間を繁栄へと導いてくれるのデース!!」

…人間を…か。
馬鹿みたいだな。
どこぞの危ない宗教と同じような売り文句だ。
間違いなく信用性に欠ける。
というより、人間のみにターゲットを絞っているあたりが気に入らない。
まあどの種族にターゲットを絞ってても気に入らないだろうし、全人類にターゲットを絞っていてもおそらく気に入らない。
この手の手口を使う奴等は本当に嫌いだからな。

そのアホみたいな発言が終わった後に、横にいたひーとが静かにスッ…と、前に一歩出て、トンファーを構えた。
ゴゥ…と焔が巻き上がる。

炎「そろそろ無駄話はやめにしてくれない?これ以上暴れられるのも迷惑なんだけど?」

いつものひーとからは推測できないほどにきっぱりと告げ、彼は冷たく、ロージーを睨み付けた。
余程この街が壊されるのが嫌らしい。

岡本「おや、あの時のボーヤではアリマセンカ。生きていたんデスカ?」

炎「あー、やっぱりボクをあの時ぶん殴ってあの地下に引き込んだのはアナタだったんだね。ごめんねー、生きてるよ?毎日全力で。キミが信じるようなバカなヤツに捕まらずに。」

岡「なっ!」

冷たく言うひーとに、ロージーが反論しようと口を開く。
しかしそれより早く、またひーとが口を開く。

炎「ねぇ…出てってよ。凄く邪魔。」

怒気の隠った瞳で岡本を睨み付けながら、なおも冷たくいい放つ。
こいつ、こんなことも言えるんだな……。
音波が「ひーちゃんかっこいい…!!」と目を輝かせている。
こういう所に惚れたんだろうか?
多分。

岡「…何なんデスカ!!いくらアナタ達でも邪魔をするなら容赦シマセンヨ!?」

イライラしているのか、いきなり怒りを露にしたロージー。
どうやら引き下がるつもりはないようだ。
戦う気満々らしい。
こちらとしても、戦った方が手っ取り早そうだな。

雨「…来るならさっさと来いよ。」

彼女らを睨みつけたまま言うと、ロージーは両脇に控えていたギガントロス2体に指示をする。

岡「いい度胸デース…、さぁ、ント?ロス?殺ってしまいなサーイ!!」

そして2体はこちらへと向かって来た。
当然だが、町の者達と観光客は、騎士団の手引きで全員城へ避難している。
さて……目に物見せてやろうか。





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