相澤先生が大好きな女の子@
「相澤先生!好きです!付き合ってください!」「はいおはよう。朝の挨拶間違えてんぞ」
「やだ私ったら!おはようございます先生!結婚してください!」
「出欠確認はHRでやるから早めに席ついておけよ」
2018/09/16 MHA
相澤に媚薬を盛る
「おい。何を入れた」今にも刺しそうな程強い眼光を向けられて、ひっと息を飲んだ。答えなきゃ。答えなきゃ確実に殺られる。早く言えと言わんばかりの相澤の視線に怯えながらおずおずと口を割った。
「……え、えーっと…マイクに、渡された媚薬を少々…」
「そうか」
そうか、って。それだけ?てっきり怒鳴られると思っていた私は、ぱっと顔を上げて思わず目を見開いた。なんと彼は、媚薬入りだと伝えたそれを一気に飲み干し、勢いそのままグラスをテーブルにドンっと置いたのだ。
「はっ……え?あ、あの、相澤さん?何して…」
「どうなるかわかった上で飲ませたんだろ」
ぐいっと口の端に溢れた液体を甲で拭う。わずかに赤く染まった頬、少し潤みながらも鋭さが消えない眼差し。普段滅多に見ることのない恋人の姿にごくりと唾を飲んだ。
「覚悟はできてんだろうな」
伸びてきた腕に囚われ、耳元に熱い息を感じた瞬間、腹の奥がきゅんと鳴いた。
2018/09/16 MHA
敵になった女の子
できれば今日という日が一生来ないで欲しいと願わずにはいられなかった。至る所でけたたましい爆発音が轟き、大人から子供まで様々な悲鳴が飛び交う中を一目散に駆け抜ける。炎もちらつくこの騒動のその中心に、彼女は静かに立っていた。(何度かそうじゃないかと思ったこともあった)
これは今まで目の前でちらついていた可能性を否定してきた罰なのだろうか。足音に気がついた彼女は微笑みを携えたままゆっくりと顔を上げ、俺を絶望に陥れる。
「やっと来てくれたんですね、相澤先輩」
その一言で全てを理解した。やはりこの事態を引き起こした原因は彼女。人に仇なす敵として通報されたのは、彼女なのだと。
どうして。家族を守るためにヒーローになるんだと、恥ずかしそうに笑っていたお前が。
「さあ、私を捕まえてみてください。先輩」
一体何がお前の心を蝕んだんだ。
2018/09/16 MHA
相澤の髪を結う
リビングのソファでくつろぎながら、黙々と指を動かす恋人の後姿をぼーっと眺める。「…ねえ、髪結ってあげようか?」
ふと気になった、無造作に垂れ下がったままの黒髪。それでは画面も見づらいだろうと声をかければ、あっさり手を止めて相澤が振り返った。
「頼む」「はいはい」
彼にしてはやけに素直に背を向けて隣に腰かける。きっと部屋に入ってきた時の私の右腕に気がついていたんだろう。
「あのさ、ほんとは私に結ってほしかったんでしょ」
「……さあな」
「素直じゃないの」
言ってくれればそれくらいいつでもやってあげるのに。笑うな、と言いたげな視線を無視して、私は上機嫌でその黒髪を梳いた。
2018/09/16 MHA
相澤が酔っ払った
背中に鈍い衝撃が走る。押し倒されたのだと気がついたのは、私を見下ろす顔越しに天井のライトが見えたからだった。「あ、あの……相澤消太さん…?」
「…いい匂い、するな。おまえ」
私の身体を組み敷いた相澤は私の問いかけなど気にせず、首元に顔を埋めすんすんと匂いを嗅ぎ始める。首筋を擽る熱っぽい吐息からは酒の臭いがした。
「やっ…ちょっ、バカ!い、いきなり何して…っやだ、汗臭いから離れてよ…っ!」
「いやだ」
抵抗も虚しく、そのままちゅう、と首筋に吸い付かれる。
一体どうしてこんなことになった。積極的に酒を飲む方ではない相澤が珍しく「今日俺ん家で飲むか」なんて誘ってきたから、なにか相談事でもあるのかと思って付き合ってやったというのに。
相澤は酔っ払うと十中八九その間の記憶を失くしてしまう。今ここでなにかあったら困るのは相澤の方だ。だからなんとしても暴走しているこの男を止めなければいけないのに、酔っ払っているはずの身体はびくともせず。
どうしよう。どうしよう。相澤は私の同期で、同僚で、仲間として仲良くやってきた相手で。けれど長年想い続けた相手でもあって。今まで何度も2人で飲みに行ったけれど、こんな雰囲気になったことなんて一度もなかったのに。「…っあ、」ブラウスの裾から入り込んだ相澤の手が脇腹を撫でる。小さく声が漏れた瞬間、相澤の手がぴたりと止まった。
「…なあ」
「……、何」
「勃った」
「はい!?!?」
何を言ってるんだこの男は!!いつのまにかブラのホックは外され、胸は相澤の手にやんわりと揉みしだかれている。
ちょっと待っておかしいおかしい。なにこれ、どういう状況なのこれ!思ってもみなかった展開に恥ずかしさでどうにかなってしまいそうで、私はぎゅっと目を瞑った。
「…なあ、俺じゃ嫌か?」
「いっ…!嫌とかそういう問題じゃなくって…っ!」
身体を弄る相澤の手を両手で掴みながら必死に叫ぶ。お願い、届いて、と。
「っねえ相澤、お願い、こんなのやだよ。記憶ないあんたに抱かれたって、私はこれっぽっちも嬉しくなんかない──!」
「…そうか、じゃあ記憶があればいいんだな」
突然朗々とした声が聞こえ、思わず思考が停止する。あれ…なんだか今…声の感じが違ったような気が…。おそるおそる視線を上げると、今まで見たこともないような嗜虐的な笑みを浮かべた相澤とばっちり目が合った。瞬間、背筋が凍りつくような錯覚を覚える。
「いいことを聞いたよ。案外酔っ払ったふりもうまくいくもんだな」
「…………えっ?あ、相澤さん?え、もしかして、今って…」
「残念。まだ酔っ払うほど飲んでないよ」
最初の一杯以外水だから。あっけらかんと告げた相澤に言葉を失ってしまう。
「な、なんでそんなこと…!」
「合理的虚偽、ってやつだ」
「何のための!?」
なんだか猛烈に泣きたい気分になった。私がどれだけ本気で焦ったかわかってるのかこの男は。しかし、心なしか嬉しそうな彼にこれ以上なにも言えず、耳元に寄せられた唇が囁いたその言葉に、私はもう降参するしかないのだった。
「好きだ」
2018/09/16 MHA