antonym [2/4] 幽霊が出ると噂で廃墟化した街。 意外にも、綺麗な状態の建物はまだ残っていて、その一室にモネはいた。 何故ここにいるか。 今ではここが、“彼“の住処だからだ。 部屋は以前の住居人が置き去りにした物が沢山あった。けれどベッド以外は埃をかぶり、明かりは点かない。 「フェイ」 「なにね、急に」 「ごめん、フェイ。 ずっと考えてて」 女はカギをゆっくりと差し出した。 「……ふざけてるのか?なんのマネか」 「真剣だよ、フェイ」 「口に出さないでカギ出せば終わると思てるか?おまえ 卑怯ね。ワタシ 受け取るつもりないよ」 「ならここに置くね」 「おまえ……本気か?おまえも ワタシ 捨てるのか?」 「捨てるだなんて、モノじゃないんだから……じゃあね」 「帰すわけないね」 その身の毛もよだつ表情にゾッと女は凍りついた。 嫌な予感がすると、気付けば彼の愛用の傘を探そうとしていた。持ち手は……ついている。 「フェイ……落ち着いて聞…」 2人は対峙して静止しているようにも見えたが、片方は小刻みに震えていた。 「もしかして “刀のほうで“刺されたかたのか」 闇の中で、私が探していたモノを彼は見ていた。 その時、モネは自分を責める他なかった。 どうして目に見えるものばかりに意識して 気付かなかったんだろう? 凶器なんて、どこでも隠してしまえたんだ。 |