愛して止まない* [4/7] 私は立ち上がって、静かにドアを閉じて廊下に出た。 赤いカーペットが続いている。 ここは私の知らない世界だ。 ならば、とタガを外した。 みんな他人なんだもの、どう思われても良かったんだ。 鼻水垂らしながら泣きじゃくっても、勢い余って転けても、服が砂まみれになっても、どうでも良かった。 夜のビーチはプラトニック。 膝を抱えながら見る海がぼんやりしている。 少し肌寒いようだけれど、目頭だけが湯に浸かっているように熱い。 外の世界といえど、真っ暗になれば人がいないことは幸運だった。 なにを今更、羞恥心なんて。 「クロロのバーカ」 ぽちゃん。投げた小石が手前で落ち、小さく飛沫をあげた。 大分時差があるというのに、クロロはよく寝れたな。 どんな場所でも順応する彼はカメレオンだ。蜘蛛じゃない、カメレオン、時々ハムスターだ! 「ヘイ!ガール!ワッツウロング?」 そんな時、突然背後からやってきた二人組。 「えっ?なに?」 「レッツゴーアウト!カモンヒァッ」 「いや、ちょっと!離して」 私は腕を掴まれ、引っ張られるまま半ば強引に観光案内されるみたい。 今から?昼間じゃなくて? あ、でも蜘蛛の仕事があるから今がいいよね。 って、そんなことを考えているうちに私はクラブにいた。 |