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愛して止まない*

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「へい!かもーぉん!」

初めてだ。
こんな原色のライトが照り交う店に来るのは。
目がチカチカする。

普段は煩い自分だけれど、案外根はお淑やかで大人しいのかもしれない。
ここに来てまた1つ、自分の一面が知れた。

「プレゼントフォアドリンク!」

「あ、どうも」

ええい!とっくに自棄な身!クロロのことなんか忘れちまえばいいのさ!
今日はパーっと行くわよーーー!

「グーーーッドゥ!」

「せんきゅー!」

一杯。二杯。その三倍。酒がどんどん身体に染み渡る。
ぷくっとお腹が膨れてきたころ、トイレを催した。
完全に酔っ払い、意識が皮一枚ほどで繋がれていた。

「あたしちょぅと、トイレにいってきまぁーす」

立ち上がったその時、天井がグルンと回って倒れこんだ。

「はれっ?」

「ドラッグキッキイン!」

薬、誤飲。祝。健常者卒業。

私はまんまとハメられた。別の意味でも、今危ない。
全身を弄られているみたいに感じる。
けれど、視界がぐるぐる目まぐるしく、それどころじゃない。

ピンチなのに……がんばれない自分……

何が何だか分からない。

前後不覚。とうとう視界は闇になった。

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